2023.02.21 12:00
世界はどこに向かうのか
~情報分析者の視点~
ヘイリー氏が米大統領選出馬を表明
渡邊 芳雄(国際平和研究所所長)
今回は、2月13日から19日までを振り返ります。
この間、以下のような出来事がありました。
ヘイリー氏が米大統領選出馬表明(14日)。北の食料不足悪化、韓国・統一省が指摘(15日)。韓国の国防白書、北朝鮮は「敵」(16日)。中国、韓国人へのビザ発給再開へ(18日)。北朝鮮ICBM(大陸間弾道ミサイル)「火星15」実験成功(18日)。米国が北朝鮮ミサイルをICBMと断定、「国連決議違反」と強く非難(18日)、などです。
ニッキー・ヘイリー氏(51歳)が2月14日、来年の大統領選の共和党候補指名争いに名乗りを上げました。
トランプ前政権で国連大使を務めた有能な女性です。候補者指名争いに名乗りを上げるのはトランプ前大統領に続いて二人目となります。
バイデン政権は世界を混乱に陥れました。
一昨年夏、アフガニスタンからの駐留米軍の撤退がアフガン国内の米国人や米軍に協力したアフガン人の国外退去後になされていたら、さらに一昨年末の米ロ首脳会談でバイデン氏がロシア軍のウクライナ侵攻を阻止するために「あらゆる選択肢を取る」と明言していたら、そこで「米軍の介入はない」などと発言していなかったら、プーチン大統領のウクライナ侵攻は阻止できていたでしょう。
ロシアによるウクライナ侵攻により、国連安全保障理事会の機能は失われ、北朝鮮は制裁を受ける心配もなくミサイル発射を繰り返しています。朝鮮半島とその周辺諸国はかつてない緊張下にあります。
世界は米次期大統領選に注目しています。
ヘイリー氏はインド系アメリカ人です。共和党指名候補争いで女性が立つのは史上5人目となり、非白人女性としては初めてです。「私はインドからの移民の娘だ。黒人でもなく白人でもない」と強調することもあります。
彼女は国連大使就任以前、2011年~17年にサウスカロライナ州知事を務めました。その前に下院議員も経験しています。
ヘイリー氏は14日のビデオメッセージで、「新世代の指導者が財政規律(の重要性)を再認識して国境を保護し、米国とその誇り、意志を強くすべき時だ」と強調。トランプ氏の「路線継承」(白人労働者やキリスト教保守層に人気がある)を訴えながらも、「若さ」をアピールする作戦を取っています。指名争いで存在感を示しつつ、「本線の副大統領候補に指名されるのが狙い」(ボルトン元国連大使)との見方もあるようです。
トランプ氏が明らかにしたところでは、ヘイリー氏は事前にトランプ氏に「参戦」を伝えたといいます。
自らを支持していたヘイリー氏が出馬したことについて「唐突な変節だ」と切り捨てたとか、「やるべきだ」と助言したとの声もあります。
トランプ氏はフロリダ州知事のデサンティス氏が真の対抗馬となると見ており、「一騎打ち」より、候補が増えて自身への批判票が分散した方が有利との計算があると見られています。
ロイター通信などの世論調査(14日発表)によれば、人気1位はトランプ氏で42.8%、2位がデサンティス氏30.6%、ペンス前副大統領7.5%、ヘイリー氏3.9%、チェイニー前下院議員1.9%、ポンペオ前国務長官1.8%などとなっています。
今後、大きな変化を繰り返しながら来年に向かっていくこととなります。
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