2023.01.17 12:00
世界はどこに向かうのか
~情報分析者の視点~
バイデン、危うし
渡邊 芳雄(国際平和研究所所長)
今回は、1月9日から15日までを振り返ります。
この間、以下のような出来事がありました。
バイデン氏の事務所から機密文書が発見されていたことが判明(9日)。韓国の最大野党代表・李在明(イ・ジェミョン)氏、検察に出頭(10日)。日米両政府、米海兵隊を改編し、離島有事に即応する「海兵沿岸連隊(MLR)」創設を表明(11日)。米下院監視・説明責任委員会、バイデン氏次男の調査を開始(11日)。韓国、元徴用工問題~財団肩代わり案で集約へ(12日)。台湾民進党主席に頼清徳氏就任へ(15日)、などです。
米国の主要メディアは9日、バイデン大統領がオバマ政権で副大統領だった頃(2013~16年の間に作成された)の機密文書10点が、バイデン氏の私的な事務所から見つかっていたと報じました。
それは、バイデン氏の弁護士が昨年11月2日、ワシントン市内の事務所を引き払う際、施錠された戸棚から機密文書を見つけたものであり、すぐに公立公文書館に通知し、翌日に文書を提出したといいます。
米司法長官のメーリック・ガーランド氏は12日、これまでの経緯を時系列で詳しく説明しました。
それによれば、昨年12月20日時点で、バイデン氏の弁護士がデラウェア州の私邸でもさらに機密文書を見つけていたことも明らかにしたのです。
主要メディアが報じた9日時点では、バイデン氏の弁護士は私邸(ウィルミントン)でも機密文書が見つかっていたことは、明らかにしていなかったのです。
米CNNは10日、「情報機関が入手した機密の高い情報に指定された文書も含まれる」と報じました。報道によれば、機密文書の中に米情報機関が作成したウクライナやイラン、英国に関する資料が含まれていたというのです。
問題は、昨年11月の中間選挙直前にバイデン氏の弁護士が見つけておりながら、公表されなかった点です。
バイデン氏やホワイトハウスの公表の遅れや不十分な説明が目立ち、「隠蔽(いんぺい)」したのではないかとの批判の声が上がっています。
バイデン氏は、トランプ前大統領がフロリダ州の邸宅に機密文書を保管していて、連邦捜査局(FBI)による家宅捜索を受けたことを強く批判してきただけに、今後厳しく追及されることになります。
トランプ氏は9日、「FBIはいつバイデン氏宅を捜索するつもりなのか」などとSNSに相次いで投稿しました。
野党・共和党は批判を強めています。下院情報委員会トップであるマイク・ターナー議員は10日、情報機関を統括するアブリル・ヘインズ国家情報長官宛ての書簡を提出しました。
内容は、「バイデン氏は国家安全保障を守る法律に違反している可能性がある」と指摘し、「完全で徹底した調査」を行うよう求めたものです。
そして発覚からわずか3日で、ガーランド司法長官が特別検察官を任命する事態に発展しました。
同司法長官は12日、「今回のような特別な状況においては特別検察官を任命する必要がある。公平かつ迅速に責任を果たしてくれると確信している」と述べ、特別検察官に元連邦検事のロバート・ハー氏を任命すると発表しました。
2024年大統領選出馬に意欲を見せるバイデン氏にとって、大きな痛手になるのは確実です。
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