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進化論から新創造論へ 13

 アプリで読む光言社書籍シリーズとして「進化論から新創造論へ」を毎週日曜日配信(予定)でお届けします。
 人間の祖先は本当にサルなのか? 統一思想からの提案は、科学的真理のように装ってきた進化論の終焉(しゅうえん)を告げる!

統一思想研究院 李相軒・編著

(光言社・刊『ダーウィニズムの誤りと統一思想からの提案 進化論から新創造論へ』より)

現代進化論(ネオダーウィニズム)は間違っている

(4)突然変異の性格
-突然変異が起こってもショウジョウバエはショウジョウバエのままである-

 進化の原因と考えられている突然変異は、一挙に新しい形態や機能を生じさせるというものではなく、微小で、ランダムな無方向の変化にすぎません。しかし生物が進化していくためには、人類学者の今西錦司(190292)が述べているように、「ランダムな無方向性の突然変異でなく、方向性を持った突然変異が、つぎからつぎへと、累積的に、進化史としては比較的短時間のあいだに、おこってくれないことには困る(*17)」のです。新しい構造や機能が生じるまでの、途中の不完全な能率の悪い状態はすみやかに通過しなければならないからです。ネオダーウィニズムが主張する「突然変異が、種の中のある個体からはじまり、それが両性間の繁殖作用を通して、遺伝的に次代に引きつがれ、differential reproduction[等差的な繁殖]によってだんだん種内に拡散してゆくといったような、のん気な、悠長なプロセス(*18)」によって、生物の形態や機能が大きく変化するということはとても考えられません。

 次に、一般的に、突然変異は生物にとって有害であり、破壊的なものであるということです。ドブジャンスキーも、「突然変異は破壊的であって、創造的な力ではない。突然変異は自然的に起ることもあるが、おそらくそれは宇宙線の放射によるものであろう」と述べています(*19)。マイヤーも、「目に見えるほとんどの突然変異は有害である。この点は、疑問の余地がない(*20)」と述べているのです。

 このような突然変異によって、新しい種の形成をどう説明するというのでしょうか。遺伝学者たちはショウジョウバエに、X線を照射して突然変異を起こすことを試みましたが、羽がなくなったり、眼の色が変わったりするような変化が起きただけで、種の中での変形または奇形にすぎませんでした。今日まで、数十年間にわたってショウジョウバエにX線やガンマー線を当てても結局、ショウジョウバエは依然としてショウジョウバエのままです。今まで実験や観察によって確かめられた種の変化の例は一つもありません。

 ド・フリースが“発見した”と思ったオオマツヨイグサの新種も、実は新しい種ではなくて、オオマツヨイグサの変異種にすぎませんでした。


 ダーウィンがガラパゴス諸島で観察したのも、鳥のくちばしや羽の変化にすぎないのです。彼はそれを「種は変化している」と結論し、ついには人間は猿から進化したと解釈するようになったのです。これは、まさに「拡大解釈」以外の何ものでもありません。ちょうどマルクスが、資本主義社会における資本家と労働者の対立を分析し、これを人類歴史全体に拡大解釈して、「人類歴史は階級闘争の歴史である」と結論したことと全くよく似ています。


*17 今西錦司『進化とはなにか』講談社学術文庫、1976年、24頁。
*18 同書、25頁。
*19 Theodosius Dobzhansky, Evolution of Life, University of Chicago Press, Chicago, 1960, p.409.
*20 Ernst Mayr, Animal Species and Evolution, Harvard University Press, Cambridge, MA, 1963, p.174.

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 次回は、「自然選択は新しい種を造れるか」をお届けします。


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