https://www.kogensha.jp/shop/list.php?search[form]=1&search[sort]=&search[limit]=&search[q]=2023%E5%B9%B4&search[name]=&search[author]=&search[publisher]=&search[category]=&search[category2]=&search[release]=&search[price]=

通いはじめる親子の心 29
おわりに

 本書に出合った時からが子育ての新しい出発です。もう一度皆さまにぜひ読んでいただきたい、編集部イチオシ!なコンテンツをご紹介。
 「通いはじめる親子の心」を毎週日曜日配信(予定)でお届けします。(一部、編集部が加筆・修正)

多田 聰夫・著

(光言社・刊『通いはじめる親子の心〜子供の気持ちに「共感」する』より)

おわりに

 子供と信頼関係を結ぶことは一朝一夕にはできません。夫婦が一つになるのは、互いに譲り合ったり、認め合ったり、さまざまな努力が必要です。そのことは誰もが知っていることです。それと同じように、親子の信頼関係も、自動的にできるわけではなく、日々の積み重ねによって築かれていくものなのです。

 神様は一人ひとりを、ご自身の子女として創造されました。夫は神の子であり、妻も神の子です。そして、子供も神の子なのです。理解し合うのには、努力が必要です。

 妻が先に信仰に導かれた場合、夫に理解してもらうためには、妻としての努めをしなければいけないということで、「妻業」に励むことが奨励されたりします。それと同じように、親が子供に信仰を伝えるためには、親の努力が必要なのです。「妻業」に対して、「親業」とも言われています。

 アメリカのトマス・ゴードン博士は、「親になるためには訓練が必要である」として、「親業」を提唱し、その訓練方法を提案しています。本書でも紹介しましたが、親は訓練を受けなければ良い親になることはできないというのです。本書で紹介した「共感的聞き方」や「積極的聞き方」は、ゴードン博士が提唱したものです。ゴードン博士は「能動的聞き方」としていますが、本書では「積極的聞き方」としました。そのほうが子供への働きかけとして、より適切な表現であると思われるからです。

 子供との信頼関係─共感関係と呼んだほうがよいでしょう─を築きましょう。本書で紹介したものは一つの方法です。すべてのことを一度に完璧にすることはできないでしょう。一つずつチャレンジしてください。

 また、順番はどれからでもよいのです。これに挑戦してみようというものを決め、具体的に取り組んでください。

 例えば、まずは「親切にする」の中の、「ありがとう」とお礼の言葉を言うこと。意外と親は子供にお礼の言葉を言っていないものです。人に対して「ありがとう」と言いなさいと言いながら、子供には感謝の言葉を言っていないことが多いのです。感謝されれば、子供は喜び、もっとしてあげようという気持ちになるのです。

 チャレンジしてみることを決め、それを一定期間実践してみてください。その期間が終わったら、振り返ってみるのです。もし十分にできていなかったら、反省し、もう一度、チャレンジすればよいのです。できるようになったら、また一つ、チャレンジしてみてください。例えば、次は子供の言うことを黙って聞くこと、共感的聞き方にチャレンジするというように、一つ一つ、積み重ねていくのです。

 子供が成人したから、もう子育ては終わったとか、今からでは遅過ぎるとか、考えないでください。決して、そのようなことはありません。いつからでも、どの段階からでも、親があきらめない限り、できるのです。

 神様が願われたのは、真の家庭を築くことです。そこにこそ、神様のみ旨があることを、もう一度確認して、チャレンジを続けてください。

---

 「通いはじめる親子の心」は今回が最終回です。ご愛読ありがとうございました。


◆『通いはじめる親子の心』を書籍でご覧になりたいかたはコチラ