2022.10.09 22:00
進化論から新創造論へ 2
アプリで読む光言社書籍シリーズとして「進化論から新創造論へ」を毎週日曜日配信(予定)でお届けします。
人間の祖先は本当にサルなのか? 統一思想からの提案は、科学的真理のように装ってきた進化論の終焉(しゅうえん)を告げる!
統一思想研究院 李相軒・編著
現代進化論に至る道
(1)アリストテレスの自然観とキリスト教の創造論
-種は永遠不変である-
古代ギリシアの哲学者アリストテレス(Aristoteles, 384-322B.C.)は体系的な生物学を生みだした最初の人でした。アリストテレスは、自然界は合目的的であると考え、『自然学』の中で次のように述べています。
技術によって存在するものが何らかの目的を持つものであるとすれば、当然、自然によって存在するものもそうなのである。……植物が葉を繁らせるのは果実のためであり、根を上方にでなく下方に伸ばすのは養分をとるためであるとするなら、そのような原因、つまり目的因が、自然によって生じたり存在したりするものの中に働いていることは明らかである(*5)。
アリストテレスは、自然界には無生物から植物、動物を経て人間に至るという、下等から高等への秩序をともなった配列があると考えました。彼は、無生物→下等植物→高等植物→海綿類・クラゲ類→貝類→昆虫類→甲殻類→頭足類→卵生類→クジラ類→胎生四足類→人類という系列を考えたのです。これが「自然の階段」あるいは「自然の階層性」と呼ばれているものです(図1参照)。
この生物の階層性は、その後の進化思想のモデルになったといわれています。しかしアリストテレスは、宇宙が不変であるように生物の階層性も不変なものだと考えていましたから、一つの生物の種がゆっくりと別の種へ変わるという生物進化の考えは思いもよらなかったのです。
やがてアリストテレスの宇宙観、自然観はキリスト教と結合しました。生物の階層性は神の創造によるものであり、絶対的に固定されたものであるとされました。すなわち、神は天地創造のときに、「種類に従って」あらゆる生き物を創造されたのであり、創造されたすべての種は、天地創造このかた永遠不変であると考えられたのです。このようなアリストテレスの自然観とキリスト教の創造論は近世に至るまで西洋世界を支配してきました。
*5 アリストテレス、加来彰俊訳「自然学」、田中美知太郎編『アリストテレス』筑摩書房、1966年、341頁。
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次回は、「リンネによる生物の分類」をお届けします。