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私は常にあなたと共にいる

(光言社『FAX-NEWS』通巻890号[2004年4月30日号]「四大聖人物語」より)

 『FAX-NEWS』で連載した「四大聖人物語」を毎週月曜日配信(予定)でお届けします。(一部、編集部が加筆・修正)

▲山上の垂訓(ウィキペディアより)

 マグダラのマリアたちは、イエスの遺体がなくなっていることを、イエスの弟子たちに話しましたが、誰も信じようとはしません。ペテロはイエスの墓まで行ってみました。確かに亜麻布しか残っていません。

 その後、地上に戻ったイエスは、時空を超えてさまざまな時間、場所に現れます。

 エマオという村へむかう2人の弟子の前に現れて、長い時間同行し、会話を交わしました。イエスはほかの弟子たちとも歩み、話し、かつ食べました。

 初めはイエスだと信じない者もいました。十二弟子の1人、トマスはイエスの手のひらに開いた釘の跡に指を入れてやっと信じました。

 イエスが捕らえられたとき、大祭司カヤパの家でイエスを知らぬと3度否定したペテロは信仰を捨て元の漁師にもどっていました。彼の前に現れたイエスは、魚をいっぱい獲ってこさせて料理をさせ、「私を愛するか」と3度聞きただします。

 3度も聞かれた意味を悟ったペテロは胸を締め付けられ、「私があなたを愛していることは分かっておられるはずです」と答えるのが精一杯でした。

 「あなたは縛られて、行きたくない所に連れていかれるであろう」。イエスは、イエスの名ゆえに残虐な最期を遂げるペテロの最期について話したのです。

 イエスはユダの代わりにマッティアを加えた十二弟子に、世界に向かってイエスのみ言を伝えることを命じました。

 それに伴う迫害と苦労は並大抵のものではない――イエスには分かっていました。

 しかし、イエスは励ましの言葉も与えているのです。

 「私は世の終わりまで、常にあなた方と共にいる」と。

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 「四大聖人物語」は今回が最終回です。ご愛読ありがとうございました。