家族の絆づくり 227
人は約束を守ることで成長する

ナビゲーター:阿部 美樹

「正直な人」よりも「誠実な人」に
 人間として成長するために大切なことの一つが、「約束を守ること」です。

 秩序ある社会生活を維持するための法律を破れば犯罪者となり、社会規範を守れなければ他人に迷惑をかける身勝手な人となります。

 仕事で人との約束を破れば、信頼を失うばかりでなく、ビジネスマンとしての立場を失いかねません。

 このように、人から信頼を得るためには、「約束を守る」ことが大切です。

 約束は他者との関係ばかりではありません。自分自身との約束を守ることも大切です。

 自分が決めた目標達成という約束を最後まで守ろうとする人は、「信念の人」であり、「成功する人」になります。

 為(ため)に生きる、愛する、許すなど、良心の声を大切にして、それを守ろうとする人は「誠実な人」となります。

 本音で行動する「正直な人」になることも良いことですが、良心の願いと行動が一致する「誠実な人」になりたいものです。

 誠実な人とは、良心との約束を全うする人なのです。


自分との約束、神様との約束
 本人しか知らない「自分との約束」に対しては、約束を守ったのか、守らなかったのかは誰にも分かりません。しかし自分自身は知っています。

 約束を破れば自分が信じられなくなります。反対に、自分との約束を守れば、自分を信じるようになります。
 その約束が「自信」の源になり、自分に対する「誇り」を持てるようになることでしょう。

 さらに、神様との約束を守ることが人間として最も大切なことです。

 聖書には「旧約聖書」と「新約聖書」があります。
 旧約は古い約束であり、新約は新しい約束です。いずれも神様との約束が記された書物なのです。

 人間始祖・アダムとエバは、神様との約束を破ることで堕落してしまいました。

 宗教における信仰生活のゴールは、「いかに神様を信じる人になるか」ではなく、「いかに神様から信じてもらえる人になるか」です。

 神様から信じてもらえる人になるためには、「神様との約束を守る」ことが大切です。
 そしてその約束が成就したかどうかを決めるのは、私ではなく神様なのです。