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新 堕落性の構造 35

 現代人に不幸を招来する「心のゆがみ」。そんな悩みの尽きないテーマをズバッと解説! 人間堕落の根源からその原因を究明している一冊です。毎週木曜日配信(予定)でお届けします。

阿部 正寿・著

(光言社・刊『こう解ける! 人生問題~新 堕落性の構造』より)

11 神と夫とを主客転倒

神様より怖い夫、やはり女は弱し
 「戦後強くなったのは靴下と女」とはすでにいい古された言葉ですが、それでは本当に女性は強くなったのでしょうか。一部の女性は強くなったことは間違いないと思いますが、大部分の女性はやはり弱く悲しい立場にあるのではないでしょうか。特に結婚している日本の女性は、弱い立場に置かれている人が多いようです。

 ある朝早く散歩をしていました。30代の半ばと思われる女性が私に、「警察署はどこですか」と尋ねてきました。「すぐ近くですが」と言うと、彼女は「夫が私を殺そうとして首を締めたので警察署へ行きたいのです」と言うのです。

 これはただごとならんと、もっと詳しく聞いてみると、これが初めてではなく、そのたびに警察へ行っても取り合ってもらえず、結局夫に連絡され、引き取られて、家に連れ戻されては殴られていたというのです。

 警察では、夫婦間の問題にはタッチしませんし、また解決することはできません。私は彼女を哀れに思いましたが、彼女にお金をあげて、市の社会福祉課に行ってよく相談するように言って別れました。その後、彼女がどうなったか分かりませんが、本当に心の痛むことでした。

 日本には、夫の暴力に泣く何百万の女性がいるに違いありません。いや日本だけでなく、女性の権利が強いはずのアメリカでさえ、年間400万人の女性が夫の暴力の犠牲になっているそうです。私は男性ですが、暴力で女性を虐げる男たちに、激しい怒りを禁じ得ません。またそのような女性たちには、同情の念に堪えません。弱き者! 汝(なんじ)の名は女性なり。

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 次回は、「夫の顔色を気にして生活する妻」をお届けします。


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