夫婦愛を育む 189
「やっぱり、うまくやっていきたいと思っているのかな?」

ナビゲーター:橘 幸世

 先回本欄で、夫婦関係を漢字で表すと「諦」を選びそうな友人がいると書きました。
 旦那さんとの関係は諦めていて、近い将来一人娘が巣立った後どうしようかと考えています。

 お茶に誘って話してみると、紹介した本も読んでいて、率直な感想をくれました。
 これまで夫婦問題に関する本を読んだことはなく、反省した点もあれば、自分には合わないと思った点もあるそうです。

 「それが普通ですよ」と言うと、根底に「あなたと私は事情が違う」との思いがあったようなので、私の家庭環境について話しました。
 すると、彼女の方も今まで言わないでいた事柄を話してくれました。

 浮気やDVがあるわけではないけれど、「一番つらいのは主人が○○してくれないことなんだ」。

 初めて聞く夫婦間のありようでした。そうするご主人の本当の理由は想像するしかありませんが、そこに触れるのはもう少し先。私が彼女の立場だったら、きっと自分自体を否定されたように感じると思います。

 「それはきついねぇ。ずっと誰にも言わないできたの?」との問いに彼女は黙ってうなずきました。
 他県からやって来たので、友人は限られているのでしょう。旦那さんとうまくいってなければ本当に孤独だと思います。
 長年の葛藤を一人で抱えてきた彼女に「しんどかったでしょう」と言うと、彼女の心が少しほぐれたように感じました。

 傷ついている人、自分は悪くない、間違っていないと思っている人に正論を言っても、素直に受け止めるのはまれでしょう。
 他県出身、故郷に親はもういないなどの共通事情をシェアしながら話していくと、さらにいろいろ打ち明けてくれました。

 すると、「やっぱり私、主人とうまくやっていきたいと思っているのかな」とボソっと呟きました。
 負の感情を出したので、奥にしまっておいた本心が頭をもたげてきたようです。

 急がず、プッシュせず、聞いても聞かなくてもよい助言をサラッと一つ投げかけて、その日は終わりました。
 良い方向に行くよう伴走していきたいと思っています。

 そんな中、方相逸(パン・サンイル)天の父母様聖会神日本大陸会長の講話を拝聴する機会がありました。
 「私はサモニム(会長夫人)といる時が一番幸せです!」と繰り返し言われるのを聞いて、こんなかたをトップに頂いている私たちはなんと幸運なのだろう、と思いました。

▲方相逸神日本大陸会長夫妻

 続けて、「真のお父様は、妻は夫の背後に神様が見えなければなりませんと語られました。夫は妻の背後に、親は子供の背後に神様を見る…、これが家庭連合の神髄です」と強調されました。
 幾度となく読んできたみ言ではありますが、改めて原点に触れて、とてもうれしく思いました。
 自分はもとより、少しずつ前を向きかけた友人もそんな体験ができるよう、努めていきたいと思います。

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