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スマホで立ち読み Vol.17
『祝福家庭と神の血統』2

世界平和統一家庭連合家庭教育局/編

(光言社・刊『祝福家庭と神の血統』より)

 スマホで立ち読み第17弾、『祝福家庭と神の血統』を毎週火曜日(予定)にお届けします。

 本書は、祝福と神の血統の価値を図解付きで分かりやすく学ぶことができます。祝福準備、祝福教育を進めていく前に、一度読んでおきたい一冊です。

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序章

 真の父母様は、旧約聖書においてイスラエル民族がエジプトを脱し、カナンの地に定着した後、たどった道について触れながら、その過ちを繰り返してはならないと強調されました。このことは、私たちが神様の血統を相続した祝福家庭としてのアイデンティティーを確認する上で、改めて胸に刻む必要がある内容です。

 本章では、祝福結婚の意義と価値について学ぶに当たって、まず現在の祝福家庭の苦悩、真の父母様の恩赦について触れ、本書を読み進めるに当たって問題意識を共有できるようにしました。また、本書で一貫して強調する「神様の血統を守る」という言葉の意味についても、明確にしています。

一、カナンの地におけるイスラエル民族

 聖書の出エジプト記において、モーセを先頭にエジプトを脱出したイスラエル民族は、その後、40年以上もの間、流浪生活を続けながら、神様が指し示してくださる土地、自分たちの祖先が住んでいた土地であるカナンを目指しました。それは、決して簡単な道のりではありませんでした。モーセをはじめ、多くの人々がその途中で命を落としましたが、イスラエル民族は神様から立てられたヨシュアを中心に迎えて再び一致団結し、カナン七族との闘いに勝って、神様が祝福された土地に定着することができたのです。

 しかし、カナンの地に入ったイスラエル民族を待ち受けていたものは、それまでの流浪生活とはまた違う試練でした。本来、彼らは神様から立てられた選民として、神様に対する信仰と伝統を守っていくべきでしたが、カナンの地に根付いていた文化や価値観に触れる中で、かえって自らのアイデンティティーを失っていったのです。

 特に、彼らが血統に対して曖昧な立場に立ち、子孫がカナンの地の人々と結婚することによって、やがて現地の人々が信じる土着の信仰を受け入れ、イスラエル民族を導いてこられた神様を忘れていったことが、聖書には書かれています。

 イスラエルの人々はカナンびと、ヘテびと、アモリびと、ペリジびと、ヒビびと、エブスびとのうちに住んで、彼らの娘を妻にめとり、また自分たちの娘を彼らのむすこに与えて、彼らの神々に仕えた。こうしてイスラエルの人々は主の前に悪を行い、自分たちの神、主を忘れて、バアルおよびアシラに仕えた。(「口語訳」聖書、士師記 第三章五~七節)

 真の父母様は再三にわたって、イスラエル民族がエジプトからカナンの地に戻った後、そこで世俗に染まり、信仰を失っていったことを指摘されながら、その過ちを教訓としなければならないと教えてくださいました。

 昔、イスラエル民族がカナン復帰をするときは、乞食の群れとして入っていきました。40年間、荒野で毎日のように飢え、マナとうずらだけを食べたのですから、みすぼらしい姿だったでしょう。顔を見て、姿を見れば、今にも死にそうな人々だというのです。
 それで、カナン七族の中で裕福に暮らす家を見て、「あの人たちと結婚すれば良いな。いいものを食べたい」と思ったのです。心を奪われたというのです。反対されるとき、心を奪われたのです。
(天一国経典『天聖経』第九篇 第二章 第四節 20

▲カナンの地に入るために戦うイスラエルの人々(ギュスターヴ・ドレ)

 イスラエル民族は、カナンの地に上陸して、すべてのものを失って乞食になったとしても国を立てなければなりませんでした。ところが、サタン側の七族、異邦人と交際し、結婚したいと考えたのです。女性たちは、その人たちの家を出入りしながら働いて自分の一族を食べさせなければならなかったのですが、そこに娘がいれば、自分の息子と結婚させたらどうかと考えたというのです。とんでもないことです。自分の娘をその家の息子と結婚させるのがよいと考えました。(19931015日、マルスム選集250342頁)

 イスラエル民族がカナンを復帰したのちに滅亡してしまったのは、彼らが既存の環境に同化して習慣化してしまったためです。彼らは、より豊かに生き、より良く食べて、贅沢(ぜいたく)をする生活に幻惑されました。彼らは、権力を貪り、知識優先主義に流れました。異邦人でも、お金持ちの家ならば結婚しました。結局、彼らは、選民の精神を売り渡すようになり、天の伝統まで失ってしまったのです。(天一国経典『平和経』第二篇 15

 イスラエル民族は本来、神様から選ばれ、祝福された民として、カナンの地でも自分たちの血統を守りながら、神様に対する信仰を守っていくべきでした。そうして、その地で国家的な基盤を築き、メシヤを迎えることが願われていたのです。

 神様の復帰摂理は、堕落によって失われた神様の血統を復帰することによって成されます。そのためには、血統を清めた上で、メシヤを地上に送り、サタンの血統を神様の血統へと転換させなければなりません。ですから、「血統を守る」ということが、歴史を通して、神様の選民にとって何よりも重要なことになります。その一点が曖昧になってしまうと、神様の摂理を進めることが、非常に難しくなってしまうのです。事実、当時のイスラエル民族も、子供たちの結婚により、彼らの家系に別の信仰が入ってきて、混乱をもたらすようになったと考えることができます。

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 次回は、「祝福家庭が背負う苦悩」をお届けします。お楽しみに!

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