2022.06.20 22:00
スマホで立ち読み Vol.16
『いちばん大切な人と仲良くなれました』4
橘幸世・著
スマホで立ち読み第16弾、『いちばん大切な人と仲良くなれました』を毎週月曜日(予定)にお届けします。
同書は2018年から2019年秋までにBlessed Lifeで配信された「エッセイ夫婦愛を育む」の内容を書籍化したものです。
人間関係を良くするための気付きやヒントをくれる、そんな一冊です。
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第1章 自分のベストフレンドになる
― 自分を嫌っていませんか?
「一番大切な人と仲良くなれました」
2018年秋にフジテレビで放送されたテレビドラマ『僕らは奇跡でできている』には考えさせられることがたくさんありました。主人公は、とても“変わり者”の大学講師です。大好きな生き物のことや、自分が気になることについて考え始めると、周囲には目もくれず没頭してしまう性格のため、人を困らせたり苛立(いらだ)たせたりします。授業開始時間も守れず(先生なのに)、事務管理もおざなりで、事務長さんにいつも叱られています。
ドラマの中では“発達障害”という言葉は使われていませんが、その設定から、社会の枠の中で生きづらい人たちを扱っているのだろうと思い、見てみることにしました。身近にそういう“不器用な”人がいるので関心があったのです。
集団行動が苦手で、子供の頃よく注意されていた主人公。大人になった彼が知人にこんなことを語っていました。
「僕は、人と関わりをもつことが苦手です。どうしたらいいかよく分かりません。でも、一番大切な人と仲良くなれたので、大丈夫です」
「一番大切な人って?」
「僕自身です。昔の僕は、僕のことが嫌いで毎日泣いていました。でも、今は自分と仲良くなれたので、幸せです」
先に、自分が嫌いな人は人間関係が上手くいかない、自己肯定感が低いと愛を受け止められない、自分自身の親友になりましょう、と書きましたが、それらに通ずるメッセージだと感銘を受けました。夫を、子供を、人を、あるがまま受け入れることの大切さはよく語られていますが、その前に“自分自身をあるがまま受け入れる”ことが、全ての土台かな、と思います。
癌(がん)を患う人の中で、その運命を嘆く人よりも、癌になったことを受け入れる(癌を自分の一部として受け入れる)人のほうが、肉体的苦痛も少なく治癒率も高い、というデータがあります。
親は、自分の子供に欠点があっても、その欠点ゆえに子供を嫌うことはありません。存在自体が愛(いと)しいのです。同様に、自身の欠点もひっくるめて自分と仲良くなれたら、いい意味で、もっと楽に生きられるのではないでしょうか?
先のページで紹介した自分への言葉がけを、毎朝、鏡の中の自分に向かって実践して、一日を出発するのもいいかもしれませんね。疲れた顔をしていたら「昨日は大変だったね」「疲れが溜(た)まっているね。美味しい物でも食べようか」。元気そうに見えたら「うん、いい顔している」「今日もかわいいね(かっこいいぞ)」という感じで。そうやって自分と仲良くなりましょう。
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次回は、「『私すごい?』」をお届けします。お楽しみに!