スマホで立ち読み 第16弾！
いちばん大切な人と仲良くなれました 1／はじめに

スマホで立ち読み Vol.16
『いちばん大切な人と仲良くなれました』1

橘幸世・著

　スマホで立ち読み第16弾、『いちばん大切な人と仲良くなれました』を毎週月曜日（予定）にお届けします。
　同書は2018年から2019年秋までにBlessed Lifeで配信された「エッセイ夫婦愛を育む」の内容を書籍化したものです。
　人間関係を良くするための気付きやヒントをくれる、そんな一冊です。

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はじめに

　「家庭は愛の学校」という文鮮明（ムン・ソンミョン）先生の言葉を時々しみじみと感じます。
　その学校では、まっさらな心と頭をもった純朴な子供と共に、大人も学びます。色々な既成概念や体験が書き込まれた心と頭をもった大人にとっては、それまでに習得したものを書き換えないとやっていけないこともあります。

　学友と上手くいかないからと言って、席替えやクラス替えをすることはできません。仲良くやっていくすべを見つけないと苦しくなります。目の前のテストを乗り越えるためだけの、その場しのぎの勉強では知識が身につかないように、家庭内に問題があった時、その場しのぎの解決策を講じてみても、人間的成長がなければ、追試のように次の課題が与えられます。

　そんな家庭という“学校”生活を楽しく過ごし、順調に進級するためのポイントは何か、私なりに考え探してきました。

　真の愛に触れ、生きるべき真理を知ったのに、幸福感が乏しい人もいます。信仰生活をし、神様の願いに応えようと努力し、真面目に一生懸命生きてきたのに、物事がうまく行かない時もあります。どうしてそうなのか、何がいけなかったのかと考えて、自分を責めたり家族を責めたりして、苦しくなることがあるかもしれません。

　また、子育てにおいて、夫婦仲良く愛情をもって育ててきたのに、子供が自己肯定感が低かったり、親と信仰を同じくしてくれるとは限らない、という現実に直面する場合もあります。

　そんな時は、自分が学ぶべき何かがあるので、それまでの自分では通用しない事態になるのだと考えます。子供と話が通じない場合、自身の価値観や思い込みで目が曇ってしまい、相手のことがよく見えていないのかもしれません。枠にはめず、己の器を広げないと、近しい相手でも理解できないままかもしれません。一緒に生活していても、見えていないのです。

　配偶者を愛し、子供を愛し、親を、兄弟姉妹を、親族を愛し、通じ合い、一つになるには、忍耐と信頼と謙虚さと、そして様々な具体的知恵が必要かと思います。家庭という動かしがたい縁の中で、私たちは多くを学び成長していくのだと思うのです。

　私は十数年にわたって、より良い夫婦関係を築く為の女性を対象とした講座をしてきました。参加者の中には、かなり深刻な問題を抱えている人も珍しくありません。自分が遭遇したことのない現実を彼女たちを通じて見せられながら、力になろうと学び、調べ、祈り、考えてきました。相談を受けながら、同時に沢山の事を教えられました。また、拙著『夫婦愛を育む魔法の法則』（光言社）で紹介している原則に対する確信を更に強くしました。本書の中でもこの原則に触れていますが、これは、男女の本性的な違いを知って、互いが喜ぶコミュニケーションを心がけるための実践的なものです。日々の生活の中で実践することを通して、事の深刻さに関わらず、いずれ良好な関係に繋がることを、彼女たちと共に体験してきたのです。

　2018年、光言社アプリBlessed Lifeの配信開始に際して、エッセイ連載のお話をいただいた時は、自分の非力を知りつつも、この原則を一人でも多くの方に知っていただく機会を与えられたことを大切にしました。小・中学校と作文が嫌いだった私が、言わば作文を毎週書くことになったのです。語彙力・表現力の乏しさに苦しみつつ、気がつけば連載を始めて二年が過ぎました。日常で感じる天の愛、家族の愛、己の不足さ、そして友人や講座参加者を通して教えられたこと等を綴ってきました。

　本書は、2018年の連載開始から2019年秋までにBlessed Lifeで紹介されたものに加筆・修正して、テーマごとにまとめたものです。書籍という形で、あまりスマートフォンからは情報を得ない方々にも読んでいただけることになり、とても嬉しく思っています。夫婦関係において、子供との関係において、そして自身の心情面において、皆様が幸せに穏やかに過ごすためのヒントにでもなれば幸いです。

　最後に、エッセイの連載に際して不足な私を支えてくださった、また本書出版にご尽力くださった光言社のスタッフの方々に感謝と敬意をささげます。

2020年4月
橘 幸世

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　次回は、「つい自分を責めがちになりませんか？」をお届けします。お楽しみに！