2022.03.08 12:00
第8回 ユッケジャン
アドバイザー:萩野学(掲載当時、真の父母様のお食事を担当)
『祝福家庭』で連載した「天正宮の御献立」を毎週火曜日配信(予定)でお届けします。
真の父母様が好まれた食事を、各家庭でも味わってみてください。
本シリーズでご紹介する料理は、2003年2月6日に真のお母様還暦記念集として発刊された『天正宮の御献立』に掲載されているものです。本書には、真の父母様が好まれた、韓国、中国、日本、西洋の代表的な料理の調理法が、写真と共に収録されています。(一部、編集部が加筆・修正)
ユッケジャン
萩野学さんからのアドバイス!
私は今(2005年当時)、韓国の麗水(ヨス)で天地人真の父母様に侍っています。
今回のユッケジャンは、真のお父様のお好きな料理の一つです。お父様は、ユッケジャンの中にご飯を入れて混ぜながら、よくお召し上がりになります。
この料理もそうですが、韓国料理は手をよく使う料理です。この料理でも、肉を手で裂いたり、野菜に薬味を入れてよく揉(も)んだりします。
ナムルなどは、絶対に箸(はし)で混ぜたりはしません。手で力強く揉むように和(あ)えるのです。真のお父様も、「手でよく混ぜることによって、手から味が出て、料理がおいしくなる」と言われました。
キムチを作るときも、「ゴム手袋をすると味が出ないし、精誠が込もらない」と言って、素手で作業する人もいます。包丁で切るのではなく、手で裂くことによって精誠が込もり、味もしみやすくなるのではないでしょうか。
牛腹肉は、日本ではブリスケに当たり、脂のないところを塊(かたまり)で用意します。店頭になくても頼めば用意してくれるでしょう。
干しワラビがなければ水煮ワラビで。芋がらやセリがなければ入れなくても大丈夫です。デパート等で甘唐や大きいシシトウなどを入手できれば、それでトウガラシの代用になりますが、ピーマンやパプリカは使わないでください。
また、えのき茸(だけ)の代わりにシメジや舞茸(まいたけ)、エリンギを切ったものなどでもよいでしょう。韓国醤油(しょうゆ)がなければ、薄口醤油で大丈夫です。味付け程度に少量を使います。
芋がら、干しワラビは水で戻さずに、別々に沸いた湯に入れて、柔らかくなる直前まで茹(ゆ)で、そのまま冷まします。すぐに使わなければ、水を換えて浸けておきます。
青菜は、韓国では、キムチを作るときにたくさん出る白菜の外側の青い葉を使ったり、オルガリベチュという、日本で言うしんとり菜(関西ではよく葉っぱと言います)を使います。白菜の外葉であれば、茹でてから外皮をむかなければいけません。
細挽(ほそびき)の粉トウガラシがなければ、粗挽(あらびき)の粉トウガラシをミキサーにかけ、細かくして使います。粉トウガラシがなければ料理はできません。今はインターネットで注文できますので、ぜひ手に入れてください。
真のお父様のお好きなユッケジャンを、皆さんの家庭でもぜひお召し上がりください。
【材料(4人分)】
◯牛腹肉(ブリスケ) 600g
◯干しワラビ 200g
◯玉ネギ 3個
◯ネギ 6本
◯生姜(しょうが) 1個
◯粒コショウ 20粒
◯昆布 20g
◯干し椎茸 3枚
◯生椎茸 100g
◯えのき茸 1袋
◯ネギ 5本
◯青・赤トウガラシ 各1本
◯セリ 400g
◯芋がら 200g
◯青菜 300g
◯豆もやし 100g
◯塩
◯コショウ
合わせ調味料(タデギ)
■粉トウガラシ(細挽) 大さじ3
■おろしニンニク 大さじ2
■ゴマ油 大さじ1
■韓国醤油 適量
【作り方】
①牛腹肉(ブリスケ)を水に浸して(好みで、ミノやホルモンを入れても可)、血を抜き、一度沸騰したら水を捨て、肉を洗う。
鍋に肉と水5リットルを注いで、沸騰したら、玉ネギ1個、ネギ1本、生姜1個、粒コショウ20粒、昆布20g、水で戻した椎茸3枚を入れて火を弱め、アクと脂気を取り除きながら、約2時間煮たあと、布巾(ふきん)を敷いたザルで漉(こ)す。(血抜きをしっかりすることで、肉の臭みが取れる)
②茹でた肉は、手で、必ず繊維に沿って約5センチの長さに細く裂く。粉トウガラシ、ネギ(1/3~1/4本)、ニンニク、コショウ、ゴマ油、醤油を入れて、肉と混ぜ合わせる。
③粉トウガラシ、ゴマ油、おろしニンニク、醤油を入れて弱火で軽く炒め、合わせ調味料を作る。
④青菜、芋がら、ワラビはそれぞれ、柔らかくなるように茹でる。一晩水に浸けて、固く絞ってから③で和える。
⑤豆もやしは頭とひげ根部分を取り除き、洗っておく。
⑥椎茸は石づきを取り除き、軽く茹でて細く切る。
⑦えのき茸は根本部分を切り取って洗い、ネギは洗って約6センチの長さの千切りにしておく。
⑧セリも洗って約6センチの長さに切っておく。
⑨玉ネギは4等分にしておく。
⑩②と④、そして⑥を鍋に入れて軽く炒め、①の出し汁を入れて一煮立ちさせる。煮立ったら⑨の玉ネギを加えてさらに煮てから、豆もやしを入れて一煮立ちさせる。
⑪⑩に合わせ調味料と醤油、塩で味を調える(味をみて、入れなくてもよければ、醤油は入れなくてもよい)。セリ、えのき茸、ネギ(残り全部)、斜め切りにしたトウガラシ、コショウを加え、一煮立ちしたら器に入れる。
画像引用元:『天正宮의水刺床 饌品單子~天正宮の御献立』(光言社刊/2003年)より
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「天正宮の御献立」は今回で最終回です。ご愛読ありがとうございました。