孝情を育む 25
純潔教育は「尊さ」を伝えること

家庭教育部長 蝶野知徳

 『ムーンワールド』で連載中の蝶野知徳・家庭教育部長による子育てについてのエッセーを、Blessed Lifeでも隔週でお届けします!
 孝情を育む子女教育を考える上で、どんな思いで向き合えばいいのかを端的に分かりやすく解説します。

親の認識から
 純潔教育は子女自身のアイデンティティーと密接に関係があるので、その責任の主体は父母にあると言えます。性の教育は、祝福に向けた早期教育そのものであり、信仰教育の核心部分でもあります。

 純潔教育のポイントは、親自身が性や生殖器に対してどのようなイメージを持っているかどうかです。堕落の原因になった部分だという思いの強さが、理想的な純潔教育につながるわけではありません。親の持っている否定的な認識やイメージは子供にも伝わりやすいので、性というものを神聖なものとして理解させる目的を、常に忘れないようにしましょう。否定的な印象や、汚らわしさを感じる言葉は使わないほうがいいです。

 例えば、生殖器は不衛生になりがちな部分ではあるけれども、「汚いところ」という表現ではなく、「神様がいちばん大切に造られたところなので、綺麗にしておかないといけないよ」という表現が良いということです。ついつい、不浄なところとして扱いがちになるので注意が必要です。

 また、「体の他の部分とは違って特別に神様が大事にしている部分であり、あなたの心や命に関わる最も尊い部分だから、むやみに他の人に触れさせるものではない」という意味が伝わっていくのが良いのです。

 そもそも純潔教育の目的には、「戒め」を伝えるということの前に、「尊さ」を伝えることがあります。もちろん、言いつけを守らせるという部分は必要ですが、なぜ守るのか、という根拠を、より強調して伝えてあげるべきなのです。

尊いものを守る喜び
 子女が本性で納得するものを土台にしてこそ、戒めの言葉もよく生きます。戒めは誰でも嫌です。しかし、“尊いものを守る喜びが分かるなら、喜んで守る”のです。ですから、束縛が目的ではないことを、まず親自身が理解していなければなりません。

 「守る価値を分かって守る」時代です。祝福子女はもともと本性に、神聖なものを喜びたいという心を強く持って生まれています。その力を発揮させてあげるのが親の役割です。

 ですから、純潔教育の全ての内容は、親自身が、神様が大切にされるものをより大切にし、子女を愛したい心で伝えることが重要です。性や生殖器の話を通して、子女が自分自身の存在を尊く感じられるようにしてあげながら、その原動力で、戒めを守らせるように導いてあげることが、純潔教育の最大のポイントになるのです。

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 次回は、「親を信じている子女」をお届けします。