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信仰の伝統
教会創立以前から文鮮明先生に侍って(32)

 家庭連合の信仰の長兄である金元弼(キム・ウォンピル)先生(1928~2010)の講話をまとめた書籍、「信仰の伝統」を毎週日曜日配信(予定)でお届けします。
 本書を通じて神様の深い愛と文鮮明先生の心情の世界、信仰の在り方を学ぶことができます。

金元弼・著

(光言社・刊『信仰の伝統 教会創立以前から文鮮明先生に侍って』より)

第一部[証言]先生と歩んだ平壌・興南時代
三、興南監獄での伝道

▲金元弼先生

1948222日、拘束される

 当時私は、朝、暗い時に外へ出てみると、先生はいすに座って、常に瞑想(めいそう)にふけっていらっしゃるのを見ることができました。

 私は先生が貴重に思えて、なかなかお話しすることができませんでした。また食口(シック)たちも、私にはみんな天使のように貴重に思えて、話をすることもできませんでした。私は、教会へ行っていながら、食口たちと誰一人として話したことを覚えておりません。私は、み言を聞くだけで忙しかったのです。私は何も分かっていなかったからです。

 先生は、194666日に平壌(ピョンヤン)へ着かれました。そして48年の222日の日曜日でしたけれども、官憲がやって来て、先生の牢屋の生活が始まっていくのです。日曜日には、10時に礼拝が始まります。私は、その2時間前に来て、お祈りの準備をしていました。食口たちが相当の人数、来ていたのですが、官憲たちが入ってきました。先生が上の部屋で、お祈りの準備をしていらっしゃった時でした。

 先生が連行される時に、私は先生の隣を歩きました。電車の通る市街を通り掛けた時でした。いろいろな音がするのですが、私の耳には、先生を揶揄(やゆ)する声が聞こえてきました。先生は、非常に落ち着いていらっしゃいました。しかし、非常に緊張されていることが分かりました。というのは、こういう中では隣の人が息をしていても、その息の音は聞こえませんが、先生と私が並んで歩いていたその時に、私は先生の激しい呼吸の音を、ものすごく強く感じたのです。

 そのようにして、先生と私と女性食口2人が、共産党当局の内務省に連れていかれました。女性食口は2日目に拘束が解け、私は4日目に出獄しました。先生だけを残すようにして、ついていった人は全部帰ってきたのです。

80通の投書

 「先生は魔術をする人だ」といううわさが出ていました。それは、一般の教会で一生懸命やっていた中心的な信者が、先生の話を聞いてからは牧師の言うことを聞かなくなって、何十年間も因縁をもってきた教会をきっぱりと切ってしまい、すぐ私たちの教会へ来るようになったからです。あるいは、どんなに仲のいい夫婦であっても、また親子でも、いったん統一教会のみ言を聞けば、そうした関係よりも、統一教会と深くかかわって離れようとしないからでした。

 このような力はなかなか理解できないのです。そこで、魔術師が催眠術をかけてこうなったのではないかと考える以外に、理解する道がなかったのです。

 特に、若い夫婦でありながら、夜になっても近寄らないことを考えると、疑問に思わざるを得なかったのです。ですから、統一教会に不倫な関係があるのではないかという疑いも、そういうことから起こったのです。

 80通の投書は、ほかの人ではなく、キリスト教の牧師によって、反宗教、反キリスト教である共産主義者によってなされました。どうしてそういうことができるのだろうかと、疑われるかもしれません。しかし現実に、牧師たちは共産党に奉仕したのでした。

 2000年前のイエス様の時に、ユダヤ教徒がローマと手を組んでイエス様を十字架につけたことを考えると、全くあり得ないことだとは言えないと思います。この牧師たちは、自分の力では先生を屈服させることができなかったので、共産党と手を組んだのです。48年でしたから、共産党はまだ、北に共産国家を樹立していませんでした。政治綱領では、集会、宗教の自由はありますが、それは国際世論や国内世論を考えてのものでした。

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 次回は、「共産党の抑圧政策」をお届けします。


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