シリーズ・「宗教」を読み解く 195
第117回「超宗教フォーラム」・日韓トンネル現場巡礼⑤
祈りと共に日韓交流史をたどる旅

ナビゲーター:石丸 志信

 11月5日夜、対馬での夕食会に、福岡在住の日韓交流史研究家で「朝鮮通信使」の専門家を招いた。江戸時代に朝鮮通信使が派遣された204年の間に12回来日した朝鮮通信使の歴史と意義を学び、対馬の置かれた情勢から見た日韓交流史の一端を知り、未来への展望に思いをはせた。

 翌6日には、国際ハイウェイ財団対馬事務所を訪問。所長の解説を聞いた後、島の西側に位置する日韓トンネル斜坑現場に移動した。

 ここは2014年9月11日に起工式が行われた場所で、唐津と同様の調査斜坑を掘るための坑口が示されている。宗教者の一行は、7年前の起工式と同じ体制で並び、改めて日韓トンネルの完成を祈願する祈祷を順番にささげた。

 午後は元寇古戦場に立ち寄った後、新しく開館した朝鮮通信使歴史館、対馬藩主宗家の菩提寺の萬松院と金石城跡を訪ねた。日韓交流の最前線に立って苦労を重ねてきた対馬藩主と領民たちの思いが感じられた。

 一行は夕暮れ前にフェリーに乗り、玄界灘を渡って壱岐に移った。唐津から釜山の間に並ぶ二つの島ながら、対馬とは全く違う空気を感じる壱岐だった。