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信仰の伝統
教会創立以前から文鮮明先生に侍って(27

 家庭連合の信仰の長兄である金元弼先生(1928~2010)の講話をまとめた書籍、「信仰の伝統」を毎週日曜日配信(予定)でお届けします。
 本書を通じて神様の深い愛と文鮮明先生の心情の世界、信仰の在り方を学ぶことができます。

金元弼・著

(光言社・刊『信仰の伝統 教会創立以前から文鮮明先生に侍って』より)

第一部[証言]先生と歩んだ平壌・興南時代
二、いつも弟子に関心をもたれる先生

▲金元弼先生

み言で自らを正す

 霊界が働き掛けて悪いものをつまみ出すのは、僕(しもべ)に対する教育であって、子供、子女を教育する仕方ではないと先生は教えてくださいました。ですから、妻に対して良くない点を指摘して教えるというのは、僕に対する教育の仕方です。それに対して、真理を与えて、自らが悪いことや誤っていたことを直し、正していくようにさせるのが、子女に対する教育法ということです。霊的な方法で悪いものをつまみ出して正していくようなことはしないのです。

 先生の教育法は、私たちが間違っていると分かっていらっしゃるけれども、つまみ出さないで、「原理」を教え、真理を教えることによって、自ら正していくように導くという方法です。

 もし、霊能者が一緒にいて、私たちの過ちを人の前で、「あなたはこういう間違いをしたでしょう。そういう間違った考えをしているのですね」というようにつまみ出したとするならば、私たちは、どのような気持ちになるでしょうか。有り難いというよりも、怖いという心になります。

 ですから、おばあさんの霊能者で、年を取った人であっても、非常に怖く感じたことがありました。もちろん私が正しければ、どういうことが起こっても、全く怖くはありませんでしたが……。

 人は間違いをすることが、往々にしてあります。霊能者からそういうことをされると、怖い感じがするというのです。ですから今もなお先生は、私たちのことが分からないのではなく、分かっていながらもみ言を通して、私たち自らが直し、正していくのを願っていらっしゃることを理解しなければいけません。「私がこんなことを考えても、分からないんじゃないか」と思って行動するような生活になってはいけないのだ、と思います。

 先生は普通、「あなたはこれが悪い。あれが悪い」と、そんなことは私たちに一切話されません。その当時、先生は何もそういうことを話されないけれども、霊能者たちの中には、人のすべてが事細かに分かる人がいたのです。

 この霊能者たちの中には、病気を治したり、人に何が起こるか予言したり、あるいは人の心霊を詮索する人がいました。心霊が分かるのです。ところが、こういう人たちでも、先生の前では子供のようになっていました。それほどの霊能者でも、先生のみ言だったら、みな従っていくのです。先生は私たちの前で、「私は人の病気を治しますよ。皆様の将来も分かりますよ。何もかも分かりますよ」とはおっしゃらないのです。霊能者たちが先生に子供のように従うのを見て、間接的に先生の霊的な位置を推し量ることができました。

 私が「先生も啓示を受けるのだろうか」と考えたくらいに、先生は私たちに、そういうことを何も見せてはいらっしゃいませんでした。

 私がこのようにお話ししているのは、最初のころはそういうことがあって、今はないというのではなく、今なお、そういうことが本当に起こっていることを知ってほしいからです。

 そして、一人一人は、神とサタンが我々を中心として闘っていることを、いつも心に思い続けて生活しなければいけないと思うからです。ですから、外の世界の霊能者ではなくて、自分の中の霊能者の声によく従っていく私たちにならなければいけないと思います。

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 次回は、「犠牲的な心」をお届けします。


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