ファミリーサポートコーチング講座

 「ファミリーサポート(FS)コーチング講座」は、文字どおり、より良い家族関係や人間関係を実現するために読者の皆さまをサポートするコーチング講座です。
 毎週月曜日配信予定です。皆さまの家庭生活、信仰生活、社会生活にぜひお役立てください。

第37回「陽陰の統合(理論編)」について

ナビゲーター:西森 響
監修:阿部 美樹(伝道教育局)

 FSコーチングにおいて、陽性と陰性の統合と呼んでいるスキルは負(陰)の感情の解消や葛藤の統合に役立ちます。
 一つの目安となるやり方をご説明します。これが基本ですが、実際はクライアントの心に寄り添いながら進めますので、さまざまなバリエーションがあり得ます。

【嫌な感情を聞く】
 クライアントに、嫌な出来事、苦手な人、自己嫌悪に陥るような嫌な感情を浮かべていただきます。コーチは、それについての五感を聞きます。

 「どんな色だと感じますか?」
 「素材は何ですか? 空気みたいなものですか?」
 「温度は、常温ですか? 少し冷たいですか? 少し暖かいですか?」
 「聞こえてくる音や声などありますか?」

 その陰性の感情をそこに置いておきます。

【陽性の感情を聞く】
 次に話題を全く変えます。
 神様と心情的に出会ったことを具体的にお聞きします。その時の気持ちをクライアントに味わっていただきます。(陽性の感情)

【自然の中に出掛ける】
 その時の神様と一緒に自然の中に出掛けるとしたら、山、川、海、草原などどのような所に行きたいかをお聞きします。

 例えば山が好きと答えた場合、山の高さや、その山のどの辺りにいるのかなどを具体的にお聞きすると、例えば「800メートルぐらいの山の頂上で、他の山も見えるし、遠くには海も見えます」などの答えが返ってきます。
 さらに、服装や履物、座っているか立っているか、動いているかなど、それをリアルに体感できるような質問をし、その時どのような気持ちかをお聞きします。

 そして、「その姿を天の父母様、真の父母様がどのようにご覧になっていますか?」と天の父母様から見た自分の姿をお聞きします。
 「ほほ笑ましく見てくださっています」などの答えがありますが(陽性の感情)、次にその気持ちで陰性の感情を見ていただき、どうなっているかを伺います。

 陰性の感情の色が変化したり、消えたり、あっても気にならなくなったりして、陽性と陰性のバランスが整えられていきます。(陽性の感情で陰性の感情を見ることで陽性と陰性のバランスを整えることも可能です)

【嫌な感情の肯定的意図】
 陽性と陰性のバランスが整えられた後、改めて嫌な出来事、苦手な人、嫌な感情を持つようになったことに対して、「全てのことは肯定的意図(神様のみ意〈こころ〉)があるはずです。それはあなたにとってどのような意味があり価値がありましたか?」と聞きます。
 不要なものに対しては葛藤が生じますが、意味と価値があることに対しては肯定的に受け入れようとします。

【報告祈祷】
 陽陰の統合を通して、自分の人生に対する神様のみ意を感じたことに対して、感謝の祈り、もしくは報告をささげます。

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【まとめ】
 陽の感情と陰の感情は、善と悪ではありません。陽と陰です。どちらも必要な感情です。
 陰の感情や陰の経験があることによって、人生を深く味わいながら生きることができるようになります。そして、つらく苦しい人の心に寄り添うことができるようになります。

 神様と心情的に出会った体験が薄いクライアントの場合には、これまで楽しかったこと、うれしかったことを聞くことも効果があります。

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 次回は、「サブモダリティチェンジ」についてお伝えします。

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