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統一原理Q&A 5
人間始祖の堕落が長成期完成級である理由

 アプリで読む光言社書籍シリーズ、「統一原理Q&A」を毎週日曜日配信(予定)でお届けしています。
 統一原理に対する著者の分かりやすい解説がコンパクトにまとめられています。統一原理への理解を深めるために、ぜひ読んでいただきたいシリーズです。

白井康友・著

(光言社・刊『統一原理Q&A み言による神の心情の再発見』より)

Q:人間始祖の堕落は長成期の完成級であり、それは「人間始祖の堕落前後の諸般の事情と、復帰摂理歴史の経緯が実証するものである」と『原理講論』には書かれてありますが、どのような内容を意味しているのでしょうか、詳しく説明してください。


A:まずこの言葉の意味から調べますと、「諸般の事情」とは、考えられる様々な事情という意味です。そこで、堕落前後における人間始祖の肉体的、精神的な様々な事情を考察してみましょう。

▲人間始祖の堕落(ラファエロ)

 堕落は不倫なる血縁関係(性的関係)によって引き起こされましたので、そのような出来事が最も生じやすい時期を考えていくと、思春期ではないかと推測できます。

 百科事典によりますと、思春期とは肉体の性的発育に応じて、性に関する好奇心、異性に対する差恥(しゅうち)心と共に接近欲が強くなり、身体的変化、性的変化に対する情緒的不安定の時期であり、男女の差はありますが、平均的には12歳から16歳ごろといわれています。

 創造原理では蘇生期七年、長成期七年、完成期七年と説明されていますので、堕落しやすい不安定な思春期とは145歳ごろ、すなわち長成期完成級のころになります。

 次に「復帰摂理歴史の経緯」とは、復帰摂理歴史の細かい事情、いきさつということであり、特にアブラハム路程の三祭物の内容を中心に考えてみましょう。

 三祭物の鳩は蘇生段階、羊は長成段階、雌牛は完成段階を象徴しており、それらの祭物を一つの祭壇に載せて献祭した理由の一つは、アダム家庭の蕩減復帰として、アブラハム一代で三段階の成長期間を完成しようとした内容の象徴です。

 聖書によると、蘇生段階の鳩は山鳩と家鳩、長成段階の羊は雌羊と雄羊という具合に、長成段階まで対(ペアー)になっていますが、完成段階は雌牛のみです(創世記一五・九)。このことから、アダムとエバは長成段階まで共に成長してきたのですが、完成段階に入ることができず、その直前の長成期完成級で堕落したといえます。

 さらに考えてみますと、雌牛は、士師記一四章一八節によれば、妻を意味していることが分かります。イエス路程と比較すれば、長成新約時代のイエスと信徒の関係は、新郎新婦と見ることができ、黙示録一九章九節にあるごとく、いずれ小羊(イエス)の婚宴を終えたのちには、夫と妻という関係になります。新郎新婦は婚約段階ですが、夫婦は結婚して生活を共にするということであり、夫であるイエスの再臨を迎えて信徒が妻として天国生活を共にする時代、すなわち完成成約時代を迎えるということです。

 この完成成約時代を象徴する祭物が雌牛しか載せられていないのは、信徒が妻として、夫たる再臨主を完成期に迎えなければならないという意味であり、すなわち堕落は長成期完成級になされたことを暗示しているのです。

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 次回は、「罪と堕落性の根本的な違い」をお届けします。