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中和新聞セレクト Vol.2
真の父母様の平和思想~地球的危機克服の道

 統一運動の情報から国内外のニュース、各種講座に至るまで、さまざまなコンテンツを毎週2回(火、金)配信している『中和新聞』。Blessed Life編集部が同記事のアーカイブスからおすすめのコンテンツをセレクトして皆さまに紹介します!
 第2弾は「真の父母様の平和思想~地球的危機克服の道」(ナビゲーター:稲森一郎氏)のシリーズを毎週水曜日(予定)にお届けします。
 同コンテンツは『中和新聞』2015年10月~2017年5月に全14回で配信されたシリーズです。

4回 人口爆発、南北問題の根本的解決への道

(中和新聞 2016年1月19日 通巻828号より)

 本シリーズでは、人類が直面している様々な地球的規模の問題にスポットを当てながら、その問題点の本質を解説するとともに、真の父母様(文鮮明先生ご夫妻)の平和思想に基づいて、確かな方向性を提示します。今回は「人口爆発、南北問題(経済格差)」について取り上げます。

■人口爆発は地球環境に対する最大の脅威

▲COP21では温室効果ガス削減に向けて国際的な枠組みを話し合う(2015年)

 人口爆発の大きな問題は、地球環境の状態、すなわち、資源枯渇や環境破壊に繋がる恐れがあるといったことが考えられますが、欧米や日本などの先進国では、それほど人口は増えません。

 国連が公表した「世界人口予測」(20157/29)を見ると、20102015年の世界の地域別の人口増加率は、欧州0.08%、北米0.78%、アジア1.04%、ラテンアメリカ(中南米)1.12%、サハラ砂漠以南アフリカ2.71%となっています。

 驚くことに、アフリカの人口爆発が他の地域に比べて圧倒的に大きいことです。このような結果から国連は、将来の人口動態予測を、2050年の世界人口97億人のうち、21億人(21.8%)がアフリカの住人であると指摘します。

 さらに、2100年の世界人口112億人のうち39億人がアフリカの住人で、全人口に占める割合が35%にまで引き上げられるというのですから、実に人類の3人に1人はアフリカ人ということになります。

 国連の予測では、2100年の世界の人口上位10か国のうち、5か国(ナイジェリア、コンゴ民主共和国、タンザニア、エチオピア、ニジェール)がアフリカの国になります。

 このようなアフリカの人口爆発の予測を見ると、アフリカの自然環境が保全されるのか、破壊され尽くすのか、それだけの人々を支える水資源は大丈夫か、食料資源をどうするのか、エネルギー資源はどうなるのか、人々を雇用するだけの十分な企業等がアフリカの国々に準備されるのか、地下資源は枯渇しないのか等、様々な課題が考えられます。

 いずれにせよ、アフリカの自然破壊、環境破壊などが進行しないように願わざるを得ません。

■南北問題(経済格差)を越えなければ、COP21も絵空事に
 20151130日~1213日(日本時間)、地球温暖化対策の枠組み合意を目指す国連の会議「COP21」が、パリで開催されました。

 振り返って、1990年の京都議定書の時点では、世界の二酸化炭素排出量の6割は先進国によるものでした。しかし、2012年の時点では、逆に途上国および新興国の排出量が6割を占めるまでに増加し、比率は逆転しました。

 このような変化を受けて、「先進国だ」「途上国だ」などと言っている場合ではない問題にまで「地球温暖化対策」の重要性が膨れ上がりました。中国、インドなどの新興国も、真剣に排出削減に取り組まなければならない状況が生まれています。今や「温暖化の最大の責任は先進国にある」と叫んでいる状況ではないのです。

 世界全体の温室効果ガスの最大の排出国である新興国の中国(排出量の全体に占める割合が22.2%)、2位の米国(13.8%)、3位のEU10.2%)、4位の新興国インド(5.8%)、7位の日本(2.8%)などが、お互いに責任の擦り合いをしている場合ではない状況にあるのです。

 各国が誠意をもって取り組まなければ、温暖化による気候変動の災害を止めることは到底できません。

 中国の二酸化炭素排出量は目に余るものがありますが、口先だけでなく、本当に誠意を見せるかどうかを注視していかなければなりません。

 資金が乏しい途上国が対策を行うための資金援助や技術移転の拡充をどうするかを巡って、資金を増やしてほしい途上国、増やしたくない先進国、この両者の微妙な駆け引きが続き、COP21でも結論がはっきりしないままでした。

 「助けたくない北(先進国)」と「助けてもらえない南(途上国)」という図式で南北問題(経済格差)が動かないとすれば、温暖化問題、環境問題という地球規模の運命共同体的テーマは、一向に解決されないままとなります。

■あらゆる分野で国際的に協力する精神が必要
 人口爆発や経済格差の問題など、人類の直面する深刻な課題を前にして、私たちはどのようにしたらよいのでしょうか。真の父母様(文鮮明先生ご夫妻)は、重大なメッセージを語っておられます。

 「現代科学技術の発達は地球星に大きな変化をもたらし、今後さらに大きな変化を予告しており、これに対して人類は英知を集めて対処すべき緊迫した状況に置かれています。一言で言えば、現代文明は重大な危機を迎えるかどうかの分かれ道に置かれているのです。この問題に対して人類は、まず超国家と超人種、そして超宗派的に、すなわち汎世界的なアプローチで共同の努力をしなければなりません。公害問題、人口問題、自然保護問題など、直面している問題がすべて汎地球星の問題だからです」(『平和経』「宇宙の公道を学ぶ会合となることを」から抜粋、215頁)

 このような「汎世界的なアプローチで共同の努力をする」という姿勢があれば、根本的な問題解決の道が開かれるのです。なぜなら、人口問題も環境、経済格差の問題も「すべて汎地球星の問題」だからです。

 豊かな自然を生かし、すべての生物に優しい調和の取れた地球星を維持するためには、政治、経済、思想、宗教、習慣などを超えた協調と協力に基づいて、国際的な連携と尽力で問題解決に向かうべきなのです。

 アフリカの大地が快適な暮らしやすい場所に変わり、マラリヤなどに悩まされることのない美しい大地になることを、神様は心から願っておられるはずです。

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 次回は、「国連改革、国連刷新としての『アベル国連』の必要性〈1〉」をお届けします。

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