2021.09.17 22:00
【テキスト版】
ほぼ5分でわかる人生相談Q&A
幸せな人生の極意!
第55回 説得力のある話し方をする秘訣を教えてください
ナビゲーター:阿部美樹
皆さん、こんにちは!
今回の質問は、「説得力のある話し方をする秘訣を教えてください」という質問です。
「説得力」という言葉を聞くと、「押しの強さ」「大きな声」「迫力ある話し方」というイメージを持つかたがいるかもしれません。しかし、押しが強いからといって相手が納得するとは限りません。
相手の心を開かせ、相手の意欲を引き出せるような表現力がなければ納得に導くことはできないでしょう。
そこで有効なのは「質問を活用した話法」です。
質問されると、相手は質問された内容に意識が行き、その質問に答えたくなるものです。質問を中心に話を進めると、相手にとって押し付けられた感覚はなく、むしろ自分が主体的に選択したという感覚が強くなります。
例えば、ヒアリング力を高めるスキルとして「SPIN話法」というものがあります。商談や渉外をするとき、相手のニーズを的確にヒアリングし、潜在ニーズを顕在化させて、商談成立だけでなく信頼関係の構築へと導く質問技法です。
具体的には、以下の四つの質問が、「SPIN話法」の概要です。
第1段階は、「状況質問」(Situation Questions)です。
「どんな状況ですか?」と聞くことを通して、相手の状況を把握することです。
その質問を通して、自分が「気になっていること」「やりたいこと」「困っていること」などが出てくるでしょう。
第2段階は、「問題質問」(Problem Questions)です。
気付いた問題点に関して「○○にお困りではありませんか?」と質問し、相手が問題点に気付くように話題を広げていきます。
第3段階は、「示唆質問」(Implication Questions)です。
「これは、○○の問題へと発展する恐れがありますから、気になるのではないですか?」と、問題の重要性を認識してもらうための質問を投げ掛けます。
第4段階は、「解決質問」(Need-Payoff Questions)です。
「それでは、○○があったら改善されて快適になるのではないですか?」と、理想のあるべき状態をイメージさせる質問をします。
このように、「状況質問」「問題質問」「示唆質問」「解決質問」を通して、ニーズを明確にすることができます。
ここで注意すべき点は、質問され続けると違和感を持つ人もいるということです。質問を始める前に、「いくつか教えていただきたいのですが、よろしいですか?」といった前置きをすれば、自然と話も深まることでしょう。
また、「Yes」か「No」で答えるような「閉ざされた質問」よりも、相手の口から自由に問題点や不満点を語ってもらう「開かれた質問」の方が良いでしょう。他人に言われるよりも、自分で口に出した方が問題を認識しやすくなるからです。
また、最後の段階で、問題が解決したときに想定されるメリットを本人の口で話してもらうことで、課題解決に対してより積極的な姿勢になれるように相手を導くことができることでしょう。
質問話法を通して、相手を納得に導く「説得力」を身に付けていきましょう。そのように努力していけば、より説得力を持った話し方ができるはずです。
皆さんからの質問をお待ちしています。
「人生相談Q&A」で、ほぼ5分でお答えいたします。
また、お会いしましょう!