ファミリーサポートコーチング講座

 「ファミリーサポート(FS)コーチング講座」は、文字どおり、より良い家族関係や人間関係を実現するために読者の皆さまをサポートするコーチング講座です。
 毎週月曜日配信予定です。皆さまの家庭生活、信仰生活、社会生活にぜひお役立てください。

第33回「質問力」について

ナビゲーター:西森 響
監修:阿部 美樹(伝道教育局)

 今回は、「質問力」についてお伝えします。

【質問の役割】
 コーチは、クライアントに対してさまざまな質問をすることにより、焦点化の原則や、空白の原則を用いてクライアントの潜在意識にある答えにクライアント自らが気付くのを助けます。
 従って、質問にはクライアントが気付きを得ること、腑(ふ)に落ちることを助けるという役割があります。

【オープンかクローズドか】
 オープンクエスチョンは、例えば、5W1HつまりWhen(いつ)、where(どこで)、Who(だれが)、What(何を)、Why(なぜ)、How(どのように)を使った質問のように、相手が自由に答えられる質問、答えを限定しない質問のことです。
 クローズドクエスチョンは、Yes、No で答えられる質問のことです。

 オープンであるか、クローズドであるかは、ゼロかイチかではなく、その中間の広さがさまざまあります。
 「どうですか?」「いかがですか?」が一番広いとすれば、「最近どうですか?」「今日の気分はどうですか?」「先月の課題についてその後どうですか?」「先月の課題のA さんのことについてはどうですか?」と少しずつ限定を加えて、狭くすることができます。

 また、「はい」「いいえ」で答えられる質問が一番狭いクローズドクエスチョンだとすると、三択の質問、四択の質問はそれよりも広い質問だということになります。

【メリット、デメリット】
 オープンクエスチョンのメリットは、制限されずに自由にたくさん話すことができることです。デメリットは、考えていない人の場合どう答えてよいか分からないことです。

 クローズドクエスチョンのメリットは、あまり考えてこなかったクライアントは答えやすいことです。デメリットは、クライアントが制約を覚えて自由に話せないことです。

【コーチに求められる質問力】
・クライアントが「あ、それ言いたかったんだ」と素直に思える。

・クライアントが具体的な答えを返せる。

・クライアントが答えることで情報を整理できる。

・クライアントが考えを明確にできる。

・クライアントからアイデアを引き出せる。

・クライアントに気付きを与えられる。

・クライアントからリソースを引き出せる。

・クライアントが思い込みの外に出られる。

・クライアントの選択肢を増やせる。

・クライアントが自分で考える力を養える。

・クライアントが潜在能力を引き出せる。

 このような質問が有効な質問だと言えます。
 目の前のクライアントにどこまでオープンな質問をすれば目指すものが得られるかをわきまえて、適度な幅を持つ質問をすることを心掛けます。

 日常生活(教会内、家庭内における会話)では、クローズドクエスチョンを多く使うのに対し、コーチングにあっては、よりオープンな質問をするように心掛けることが望まれます。それによりクライアントは心が解放されて、本心を語ることができます。

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 次回は、「肯定的意図」についてお伝えします。

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