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中和新聞セレクト Vol.2
真の父母様の平和思想~地球的危機克服の道

 統一運動の情報から国内外のニュース、各種講座に至るまで、さまざまなコンテンツを毎週2回(火、金)配信している『中和新聞』。Blessed Life編集部が同記事のアーカイブスからおすすめのコンテンツをセレクトして皆さまに紹介します!
 第2弾は「真の父母様の平和思想~地球的危機克服の道」(ナビゲーター:稲森一郎氏)のシリーズを毎週水曜日(予定)にお届けします。
 同コンテンツは『中和新聞』2015年10月~2017年5月に全14回で配信されたシリーズです。

第1回 人類滅亡に繋がる環境破壊問題
<「自然と人間の調和的共生」へ>

(中和新聞 2015年10月13日 通巻803号より)

 本シリーズでは、人類が直面している様々な地球的規模の問題にスポットを当てながら、その問題点の本質を解説するとともに、真の父母様(文鮮明先生ご夫妻)の平和思想に基づいて、確かな方向性を提示します。今回は深刻化する「環境破壊」の問題について取り上げます。

▲急速な経済成長の背後で深刻な環境問題を抱える中国

■環境破壊が起こしている地球大異変
 地球環境が破壊されている今日の状況は、生きるための人間の営みが深く関わっています。特に大きな問題になってきたのが人口爆発です。1950年に25億人だった世界人口は、2015年現在で70億人を超え、この65年間で約2.8倍に増えた計算になります。さらに2100年になると、世界人口は112億人に達するという国連の報告があります。

 当然、増える人口を養うための世界経済の規模も拡大の一途を辿ることになります。自然が備えている豊かな資源を相手に人間の旺盛な生産活動や経済活動が行われる時、よほどの叡智と愛情がなければ、自然はただ破壊の対象になるだけで、壊された自然を再生することすら不可能になってしまう恐れがあります。

 いわゆる自然のサステイナビリティ(持続可能性)を確保した賢明な開発が必要となります。しかし、現在の世界の状況を見ると、自然環境保護への十分な配慮がなされているとは言えず、あちらこちらで傷つけられた地球環境が悲鳴を上げています。

 南極も北極も氷のない世界へと変貌し、上昇した海面で太平洋の島々が海中に消えてしまう日も遠くないかもしれません。植物や動物などの生態系も大きく変化しつつあり、地球は痛ましい慟哭の声を上げているのです。

■中国大陸はもはや人間の住む所ではない
 中国を例に見ると、経済成長の猛烈な勢いの陰で、その国土は想像を絶するほど傷め付けられていると言ってよいでしょう。

 水と空気と大地は、いずれも人間の生活に欠かせない環境の3大要素ですが、現在の中国大陸は、水汚染、空気汚染、土壌汚染の汚染地獄となっており、このままでは多くの人々が見切りをつけて、中国から逃げ出すという事態が生じるかもしれません。

 中国では「自然と人間の共生」という思想が全く見られず、人間の強欲な経済的利益の追求が、容赦なく自然環境を破壊するという愚行として平然と繰り返されているのです。その結果、自然破壊の代償が人間社会を襲い、手痛いしっぺ返しを受けるということになります。

 二酸化炭素による温室効果がもたらした地球温暖化、砂漠化、オゾン層の枯渇、紙と建材の原料である樹木伐採による森林消失などは、地球全体に各国が連帯的に責任を負う問題としての認識の共有が必要です。

 しかし、中国の環境汚染の主たる問題として、石炭への依存度と使用量が非常に高いことから、排出される黒煙にはさまざまな有害物質が含まれています。また自動車のエンジンも粗悪なものが多く、ガソリンも良質とは言えず、硫黄酸化物を多く含んでいます。

 驚くことに、工場排水(汚水)においては年間160億トンが処理もされずに、地下にそのまま排出されるというお粗末さだと、中国人民大学の馬中教授は報告しています。

 専門家は中国の地下水の90%が汚染されていると言いますが、地下水が飲料水として極めて劣悪なものになっているのは明らかで、ガン患者が多発する「ガン村」などの存在が、その事実を明確に裏付けています。

 中国では安心して飲める水がないという状況下にありながら、それでも人々は、汚染された水を利用しながら生きなければならないという回避できない事態を受け入れ、生きているのです。

■「自然と人間の調和的な共鳴圏の形成」
 中国に限らず、いかなる国でも経済発展を目指す方向性は共通しているので、環境破壊を起こさないという配慮と対策は、絶対不可欠なものになってきています。

 とりわけ欧米や日本などの先進国が自動車社会を形成するなど、利便性と引き換えに、排気ガスによる地球温暖化の責めを負っているという反省を含め、重化学工業と環境汚染の結びつきなども、先進国が「課題先進国」になっている事実を謙虚に認めざるを得ません。

 「自然と人間の調和的共生」、これこそが天の願われる理想ですが、このような生き方を教え諭してこられた真の父母様(文鮮明先生ご夫妻)の平和思想は、人類が真剣に耳を傾けなければならない内容です。

 文鮮明先生は生前、開発途上国家に対して、「先進国の前轍を踏んではならない」として、次のように助言されました。

 「中南米大陸は、無限の潜在力をもっています。…肥沃な平和の楽園、雄大な山と大自然、創造本然の汚染されていない美しい大自然! …このような無限の可能性を秘めた中南米大陸にお願いしたい、切なる忠告があります。それは『先進諸国の前轍を踏んではならない!』という忠告です。現在、開発途上にある国々は、盲目的に開発された国々が犯した誤謬を犯してはならないということです」(『平和経』105頁)

 先進諸国にとっては耳痛い言葉ですが、しかし、それだからと言って中国などの新興国が「先進国(米国)が二酸化炭素をたくさん排出してきたのだから、われわれも許されるべきだ」と主張するのは間違っています。

 環境破壊は、人類自体の滅亡へと繋がりかねない重大事であり、それゆえ文先生の忠告は、世界が受け止めるべき核心的な「平和思想」であると言わざるを得ません。

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 次回(9月8日)は、「気候変動と地球温暖化問題」をお届けします。

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