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心情開拓
心霊を育てる生活原則(14)

 原理を生活化するために、李耀翰(イ・ヨハン)先生(1916~2019)が信仰のイロハを日本人の心情を分析しながら説かれた講話集、「心情開拓~心霊を育てる生活原則」を毎週金曜日配信(予定)でお届けします。
 家庭連合の教会員の皆さまはもちろん、世代を超えて多くのかたに読んでいただきたい書籍です。

李耀翰・著

(光言社・刊『心情開拓~心霊を育てる生活原則』200549日第3版発行〉より)

1 牧会

▲李耀翰先生

実績

 私たちは、実績というと、外面的なことばかりを思いやすいのですが、そうではなく、問題は内面なのです。私は教会に来てから3年、4年になるけれども、伝道した結果は、献身した人もいないし、教会に来る人もいない。「自分の口から相当数の人が話を聞いたけれども、献身した人がいない」と言って心配する人がいるのですが、それは間違っているのです。

 献身させるという外面的な実績は、自分の実力によるのではなく、祖先の功績によっているのであって、自分はただ伝えるだけなのです。だから、何を実績と呼ぶかというと、自分が祖先の代わりになって伝える時に、自分の心に何が残っているかということなのです。ただ、ラッパを吹くのが使命ではなくて、そのラッパの音を聞いた自分に何かが実らなくてはならない。その内容が問題なのです。
 伝道しながらも、自分は発展できない人が多いのです。どんどん伝道して献身者を相当出した人でも、自分が空になってしまう人もいるのです。それはいくら伝道しても、神の前に立ち得るはずがないのです。

 モーセは60万を連れてエジプトを出たけれど、自分は結局どうなりましたか。紅海を打って道にしたけれども、自分がカナンに入ることはできなかったのです。モーセのなした業は、モーセがなしたのではなく、神の力によったのです。

 パウロも有名な神学者だったというのですが、パウロのなした伝道は、パウロ自身がやったのではなく、神がパウロを通して福音を説いたのです。イエス様の霊を受けて一生涯伝道しても、もしパウロの内面に実った何かがなかったとすれば、結局ゼロになってしまうのです。

 私たちも、献身して働くという時、外的結果を見るために働くのではないのです。中心的な立場に立つ人は、教会を立てるとか、信者を大勢集めるとかという結果を見る目的で仕事をさせるのではないのです。その人の信仰が落ちるのは、働く時、内的に得たものを喜ぶのではなく、外面的にばかり働いてきたから、自分は空になってしまって、ペチャンと崩れてしまうのです。だから、教会長は、たびたび一人一人と付き合って、その人が単に外的に喜んでいるのか、霊的に喜び、内面で精神的な糧にしているかどうかを見てあげなくてはいけないのです。

 大会をやって、大勢の人が集まりこの言葉を聞いてびっくりしていた、と喜んでいてはいけないのです。それを喜んだとしても、自分と関係ないのです。それは神の勢力によって、その時期が来たから、それだけの外面的な結果が得られたのであり、この言葉はどこに落ちても爆弾の力をもっているのです。だから、これは神がなすのです。

 大勢集まってくるのも、なぜ集まってきたかというと、天から霊人たちが総動員されて集めてくるのです。それを見た私たちは、内面的にそこから何かを得なければならないのです。その時の効果を追う伝道活動として、事業的に流れてしまうと、霊的には空になってしまいます。そのまま、ある時期が過ぎるとペチャンコになって、勇気が出なくなってしまうのです。

行う

 「やれ」と命令された時には、やりたくなくてもやれば、そのあとで何かが得られるのです。神は絶対に私たちに何も与えないで、強制したり、犠牲にしたりはしないのです。何かを与えながら、生命的に授受しながら、私たちを使っているのです。だから殉教者たちは、殺される時にも、神と交わりながら、苦しみの中にいながら、苦しみを知らずに死んだのです。

 また、全く新しい、何も知らない人に何かを手伝ってもらって、働いたあとで「気持ちはどうか」と聞いてみると、「何となく素晴らしい気がする」と言うのです。なぜかというと、自分も知らずに、善なるものに主管されていたからです。

 何事によらず、情的に動かないと、自分が損をします。例えて言えば、御飯を食べる時、「どうも食べたくないけれども、今晩食べなかったら、あすの朝までは腹が減るし、しようがないから食べてやろう」と、嫌々食べたとしても、よく消化しないのです。信仰も同じことです。

 統一教会に献身はしたし、親も投げ出してきたんだから、今さら帰るのは恥ずかしいし、どうにもならないから、しようがなくついていくとすれば、それは信仰的な病人なのです。そういう時には、ちょっと休みながら、自分を反省しなくてはいけないのです。

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 次回は、「男女の問題/問題解決は三時間以内に」をお届けします。


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