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心のあり方 33
不幸は人のせいではありません

 もう一度皆さまにぜひ読んでいただきたい、編集部イチオシ!なコンテンツをご紹介。
 「文鮮明先生の自叙伝に学ぶ~心のあり方」を毎週木曜日配信(予定)でお届けします。

 なお、この記事に記載されている「自叙伝『平和を愛する世界人として』」のページ数は創芸社出版のものです。

浅川 勇男・著

(光言社・刊『文鮮明先生の自叙伝に学ぶ~心のあり方』より)

第九章 意志さえあればできないことはない

不幸は人のせいではありません

 人は誰でも幸福を求めて生きています。結婚して子供を育てるのも幸福のためです。その子供への父母の願いも幸せな結婚と幸せな家庭をつくることです。そして、気立ての良い嫁とかわいい孫に囲まれた幸福な老後を迎えることです。お迎えが来たら、もちろん極楽、天国へ連れて行ってもらうのです。生きて幸せ、死んで幸せ、それが、万民の切なる願いです。

 しかし、現実はどうでしょうか。幸福になれると確信して結婚した伴侶と葛藤しています。最も大きな不幸と苦しみは夫婦関係です。医療の驚異的発展によって難病でも回復できる時代がきました。しかし、“夫婦病”には適切な薬はないようです。万能細胞でも夫婦の難病を治す見込みはありません。

 では、親子関係はどうでしょうか。母親は陣痛の苦しみを超えて子供を出産します。子育てに幸せを求めているからです。しかし、その子供に陣痛以上に苦しんでいる母親が多くいます。男の子が結婚すればお嫁さんが来ます。そのお嫁さんと生活して、幸福になれましたか? むしろ、新たなる嫁姑の葛藤が始まって苦しんでいる姑もいます。

 嫁姑の激しい葛藤に苦しんだ夫が川柳を作って投書しました。この句が、優秀賞になったそうです。この方は化学薬品の会社に勤めているに違いありません。その句とは、

 有害だ 「混ぜるな危険」 嫁姑(第18回 第一生命サラリーマン川柳)

 ところで、「自分ほど不幸な人はいない」と嘆いている人には共通した思いがあります。私は「不幸にさせられた」という思いです。不幸の被害者と思い込んでいるのです。しかも、不幸にさせた加害者を特定しています。警察に捜索を頼む必要はありません。既に真犯人は明らかなのです。なぜなら、同居して毎日顔を合わせている人だからです。夫という名前であったり、妻という名前であったりします。

 妻は夫の根性の悪さのせいで不幸になったと思い込んでいます。夫は妻のかわいげのなさによって不幸になったと思い込んでいます。互いのせいにし合っているのです。被害届があれば、次のように書くはずです。

 「私は幸福になるために努力しています。だけど、あの人が邪魔をして私を不幸にしたのです。私は正しくて、あの人が間違っているのです」。

 では、文鮮明(ムン ソンミョン)先生は、人間の幸福をどのように考えておられるのでしょうか。先生は、「意志さえあればできないことはない」。つまり、幸福になろうとする強い意志があれば、必ずなれると言われているのです。この考えによると、不幸は誰のせいでもなく、自分の意志薄弱の結果、ということになります。

 「夫の言葉に傷ついて不幸になった」と断言する妻がいるとします。真実は違います。夫の暴言を乗り越えて夫を愛そうとする意志の弱さが不幸の原因なのです。夫のせいにするのは、自分の意志の弱さを覆い隠そうとしているためです。

 妻の言動に怒って暴力を振るった夫がいたとします。大喧嘩ののち、夫はうそぶきました。「嫌味を言って俺を怒らせた妻が悪い。喧嘩の元は妻なんだ」。

 残念ながら違います。怒りを抑えられない夫の意志の弱さが喧嘩の元なのです。自分の意志の弱さを覆い隠すために「人のせい」にしているのです。しかも、そのことに、気がついていません。夫婦円満は、幸福への強靭(きょうじん)な意志をもたない限り実現しません。

 川は上流から下流に流れます。ところが、幸福は下流から上流に上ってこそ出会えます。幸福を求める人は流れに逆らって上流を目指す船乗りのようなものです。困難を乗り越える強い意志がなければ幸福山の頂上には到達できません。

 到達できなかった人は、必ず言うでしょう。「川の流れが強かったせいで上れなかったんだ」と。

 一般的に、自分の志を達成した人は、意志の強い人たちです。野球界では、メジャー・リーグで大活躍の、イチロー選手がいます。プロ選手で成功するためには、困難に打ち勝つ強い意志がなければなれません。ましてや、メジャーです。華々しくデビューしても、試練は間断なく来ます。それを乗り越えた選手だけが生き残るのです。

 不況にあえぎながらも業績を伸ばす経営者も、強い意志をもっています。幾度の不振を乗り越えて歌い続ける歌手たちも、失敗にめげずに研究し続ける科学者たち、すべて、意志の強い人たちです。不運を人や社会のせいにしている人に成功の見込みはありません。成功の秘訣(ひけつ)は「自分の意志の強さにある」と悟れば道が開かれるのです。意志さえあればできないことはないのです。

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【み言訓読タイム⑨】
*自叙伝「平和を愛する世界人」より

 その頃、草梁(チョリャン)の労務者用の宿舎に入ることができました。部屋が呆(あき)れるほど小さくて、対角線で横になっても壁に足が当たります。その後、知り合いの家に泊めてもらい、その部屋で鉛筆を削り、心を尽くして『原理原本』の草稿を書きました。極貧の生活だろうと何の問題もありませんでした。たとえゴミの山の中で暮らしたとしても、意志さえあればできないことはないのです。(自叙伝124―125ページ)

 歴史上、偉大な指導者は、皆幼い頃から人生の目的が明確でした。彼らは、幼い頃に胸に抱いた目的を生涯大切に持ち続け、それを成し遂げようと熾烈な人生を生きました。寝て、起きて、活動するすべての人生の営みが、未来の舞台を準備するためのものだったのです。今、果たしてどれだけの人がそのような人生を生きているでしょうか。
 私たちは全員、偉大な人間として創造されました。何の意味もなく皆さんがこの世界に出てきたのではありません。神様は、自分のすべての愛を注いで私たちをつくりあげられたのです。ですから、私たちはどれほど偉大な存在でしょうか。神様がいらっしゃるので、私たちは何でもすることができるのです。(自叙伝327ページ)

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 次回は、「人を幸福にする意志」をお届けします。


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