2021.08.04 17:00
中和新聞セレクト Vol.1
真の世界平和を求めて~人類的課題と根本的解決の道
統一運動の情報から国内外のニュース、各種講座に至るまで、さまざまなコンテンツを毎週2回(火、金)配信している『中和新聞』。Blessed Life編集部が同記事のアーカイブスからおすすめのコンテンツをセレクトして皆さまに紹介します!
第1弾は「真の世界平和を求めて~人類的課題と根本的解決の道」(ナビゲーター:魚谷俊輔氏)のシリーズを毎週水曜日(予定)にお届けします。
同コンテンツは『中和新聞』2017年5月~2019年11月に全24回で配信されたシリーズです。
第21回 中国の脅威に対峙する統一運動
「一党独裁体制のもと、世界の覇権国家を目指す中国は21世紀最大の脅威である」との認識が、米国を中心に広まっています。今回は、大きく転換された米国の対中政策について解説したうえで、早くから中国の脅威を指摘してきた統一運動の実績について紹介します。
■米国の対中認識が方向転換
「米中国交正常化」(1979年、カーター政権時)への道を開いたニクソン政権以降、米国の対中政策は「関与(エンゲージメント)政策」を基本としてきました。これは、「中国が共産主義の独裁国家である事実に目をつぶり、関わり続けることで彼らが変わるのを待つ」という考え方です。
その背後には「中国の経済発展を積極的に支援すれば、いずれ政治的自由と民主主義がもたらされるはずだ。中国の自由化は不可避だ」との仮定がありました。
しかし、これらの考えは合理的な政策判断というより、希望的観測にすぎませんでした。その誤りに米国が気づき始めたのは、トランプ政権が誕生する少し前のことです。
その嚆矢(こうし。物事のはじめ)となったのが、マイケル・ピルズベリー氏(ハドソン研究所・中国戦略センター所長、国防総省顧問)が2015年に発表した『The Hundred-Year Marathon(100年マラソン)』(日本語版『China 2049』)でした。
ピルズベリー氏はもともと米国の代表的親中派の1人でしたが、その彼が「米国は中国に騙されていた」と述べ、「中国は、建国100年の2049年までに米国に取って代わる世界の覇権国家を目指している。そのことがようやく分かった」と警告したのです。
■トランプ政権の対中戦略
2016年にトランプ政権が誕生すると、歴代政権の対中政策とは明らかに異なる方針が打ち出されました。トランプ大統領は、これまで分けて考えられてきた安全保障と経済の問題を結びつけました。そして、中国に対して貿易戦争を仕掛け、経済的圧力をかけたのです。
2017年12月にホワイトハウスが発表した「国家安全保障戦略」、2018年1月に国防総省が打ち出した「国家防衛戦略」は、「中国は米国の安全保障と繁栄に対する深刻な脅威であり、自らの独裁主義的なモデルに従って世界をつくり変えようとしている」と指摘しました。
さらに、マイク・ペンス副大統領が2018年10月4日に行った「トランプ政権の対中政策」という演説は世界に衝撃を与えました。
ペンス氏は、「中国が米国内で情報操作を継続し、かつてないほど積極的に、我が国の国内政策や政治活動に干渉している」と非難。「中国は米国を西太平洋から追い出し、米国が同盟国に手を差し伸べるのを阻止しようとしているが、彼らは失敗する」と宣言しました。これは歴代政権の中で最も厳しい中国批判の演説と言ってもよい内容でした。
現在、米国政府は中国のためにスパイ行為を行った米国政府職員を逮捕・起訴するとともに、中国の経済スパイによるハッキングを告訴し、その背後で中国政府の力が働いていたことを公表しています。
■覇権的独裁国家の道を突き進む中国
かつて米国のクリントン大統領(第42代)は、「中国をインターネットにつないでしまえば、自然と民主化される」と言いました。
しかしこの予想は外れ、中国政府は見事にインターネットをコントロールしています。グーグルやアップルなどの米国のハイテク企業は、中国政府がインターネット検索に検閲をかけるのに協力しているありさまです。
今や中国は「ハイテク全体主義国家」となり、完全な監視社会になっています。膨大な数の監視カメラが設置され、顔や歩き方で個人を特定できるようになっています。
また人々の生活について、事実上全ての面を支配することを目的に「社会信用スコア」が導入されています。政権に対して批判的な人々は飛行機や列車のチケットが買えなくなり、自由に旅行することもできなくなっているのです。
中国の通信機器大手「華為(ファーウェイ)技術」は、中国共産党と人民解放軍との関係が深く、同社の製品には秘密のソフトウェアが埋め込まれており、世界中から情報を集めるスパイ活動の手段となっていると指摘されています。
そして中国は、このような「電子戦争」「サイバー戦争」の次元から、今や、米国の衛星を無力化することを目標とした「宇宙戦争」の次元に進もうとしているのです。
■中国の脅威に警鐘を鳴らし続ける統一運動
米国や日本において、中国に対して率直にものを言うことが憚られる状況の中で、一貫して中国の脅威を訴え続けているのが統一運動です。
1971年に国連で台湾に代わって中共が承認された際に、最後まで反対し、断食集会まで行ったのは日本の勝共運動でした。
米国の日刊紙「ワシントン・タイムズ」の有名なコラムニストであるビル・ガーツ氏は、既に2000年の時点で『THE CHINA THREAT(中国の脅威)』を出版し、いち早く、この問題を世に問いました。
中国の脅威に対峙するには、まず中国の戦略を正しく知らなければなりません。2018年12月、日本のUPF(天宙平和連合)は、東京で行われた「国際指導者会議」の講師にビル・ガーツ氏を招待し、「米中“新冷戦”と米国の外交・安全保障戦略」をテーマに、日本の有識者たちとのディスカッションを行いました。
今後は、日本が米国の政策転換に足並みを揃えることができるように、日本国内での啓蒙教育活動を展開していくことでしょう。
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次回(8月11日)は、「若者たちの結婚を推進する統一運動」をお届けします。
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