2021.07.10 17:00
夫婦愛を育む 164
友達がいない
ナビゲーター:橘 幸世
昨今芸能人が自分について語る時、「友達が少ない」「いない」と率直に語るのを見ることが多くなったように感じています。
一昔前なら公言するのはちょっとはばかられたような気がしますが、いいところだけ見せようと無理はしないで、自然体でいることを良しとする感が若者の間で広がっているのかもしれません。
また、一見友達はいるようでも本音を話せる相手がなく孤独を感じている若者は少なくないと言いますので、そんな彼らに共感をもって受け止められるのかもしれません。
孤独を感じている人がいる一方で、人付き合いに煩わしさを感じ、一人を好む人も珍しくないようです。
恋愛に消極的な若者も多く、好意を打ち明けて断られ傷つくくらいなら最初から打ち明けない、と彼らは言います。
その状況を嘆き何とかしようと、大学で恋愛講座を開いている教授たちもいます。たとえ傷ついても、いろいろな経験を通してさまざまな感情を味わい、豊かな人生を送ってほしい、と願っているのです。
人付き合いは苦手でも、やはり孤独はきついもの(孤独を「孤毒」と書く人がいますね)。何もしないで傍らにいるだけのサービスを生業としている人が取り上げられたこともありました。それで生活が成り立っているのですから、依頼が絶えないのでしょう。
先日は新聞のコラムで、同様のサービスをしている人がタイにもいると報じられていました。自分にとってちょうどいい距離感をオーダーしているのです。実際の知人友人あるいは家族は思いどおりにならないのでしょう。
人との心地よい関係をお金を払って一時持つ。何という時代になったのでしょう? 授受作用を通して力と喜びを得るように創造された神様は、胸を痛めておられるのではないでしょうか。
先日は「メシ友はYouTube」なる記事がネット上に出ていました。
コロナ禍ということもあってか、友人と外食することもなく、アパートで一人、YouTubeで「他人の何気ない日常」を見ながら食事をする若者たちのことが書かれていました。「映える」投稿に疲れて、そういうものに癒やされているというのです。
1990年代半ば、北欧の先進福祉国家にいた時、そこで開かれた国際的なイベントのパンフレットに「孤独はわが国の社会問題の一つである」とあったのが印象的でした。
四半世紀以上を経て、2018年、イギリスで世界初の孤独担当大臣が登場。そして今年世界で2番目に日本で孤独・孤立対策担当大臣が誕生しました。
政府の取り組みが結果を出すのを待つことなく、各人ができる努力をしていければと思います。少しずつ、人との関わり、授受作用を重ねていく中で、新しい世界が開けていくでしょう。
若者たちは、傷つく不安や痛みを越えて(傷ついたなら癒やす時間を取りつつ)、神様の創造目的、すなわち愛し合い信頼し合う喜びを知るべく、天の導きを信じて、勇気をもって一歩踏み出してほしいと切に願ってやみません。
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