コラム・週刊Blessed Life 167
中東紛争の再燃! 世界の不安定化が始まる?

新海 一朗(コラムニスト)

 2021年、バイデン政権の誕生とともに世界中が不安定な状態に陥り、世界の各地で紛争が再燃する状況が生まれています。
 今年に入り、ミャンマーが軍政を復活させ、国内が内乱状態になるなど、騒がしい情勢を見せているかと思うと、今度は中東紛争の再燃です。

 1948年5月14日、イスラエル国家が再建された後、中東情勢はアラブ諸国とイスラエルの領土紛争という、いわゆる「中東戦争」に突入することになり、以来、中東の混乱は70年余りの間、ほとんど、間断なく続いてきました。

 トランプ政権時代には、大統領の強権的な外交政策が功を奏し、不思議なほど、地球上から主だった紛争地域の戦乱が姿を消し、アメリカは戦争をしない4年間というものを実現させました。
 皮肉なことに、戦争屋のような印象を与えたトランプは、実は誰よりも平和を望む大統領であり、また、実際戦争をしなかったことがはっきりと示されました。

▲イスラエル軍の攻撃を受けるガザ地区郊外(ウィキペディアより)

 アメリカは、ウィルソン大統領時代の第一次世界大戦、フランクリン大統領時代の第二次世界大戦など、どういうわけか、民主党の大統領が立った時、大きな戦争を始める、あるいは大きな戦争に加わるというジンクスを持っていることが歴史的に証明されています。

 反対に、共和党時代、例えば、レーガン政権時代にソ連との冷戦を終了させるマルタ会談が実現しました。
 そしてトランプの任期中の4年間、アメリカは世界各地での戦争から手を引いています。むしろ巧みな外交政策で戦争を避けました。アメリカと北朝鮮の劇的なトップ会談がシンガポールで行われたのも、実に共和党政権下の出来事でした。

 今、バイデンの民主党政権下において、世界は再び戦乱状態に戻る動きに入ったことは明らかです。民主党は戦争を呼び起こす嫌なジンクスを抱えていると見て差し支えありません。戦争を引き起こすメカニズムが働いているようです。
 これは、アラブ圏、中国、ロシアなど、米国に非友好的な態度を隠し持つ国々に対して、アメリカが「戦争を仕掛けやすい空気」を感じさせる政策を実施するからであると考えざるを得ません。

 今月の5月10日、イスラエルとパレスチナの間に交戦状態が再び開かれました。
 イスラエルはハマスが実効支配するガザ地区への攻勢を強め、ハマスもイスラエルに向けてロケット弾の発射を続けるありさまです。

 イスラエル軍は地上と海上から砲撃や空爆を加えています。東エルサレムでの緊張に端を発して、すでに10日余り経過しましたが、状況は2014年以降で最悪です。
 死者はガザ地区で119人、イスラエル側で9人出ています。ガザ地区では600人以上の負傷者も出ています。

 13日夜から14日朝にかけてハマスが行ったイスラエルへの攻撃はロケット弾約220発を放つものでしたが、アシュケロン、ベエルシェバ、ヤヴネの市街地もロケット弾の標的になっています。イスラエルは地上部隊を近くガザ地区内に進めるかもしれません。

 このような戦乱が世界の各地で生まれ、よみがえってくる趨勢(すうせい)が見られるのがバイデン時代の国際情勢です。
 バイデンは戦争を食い止める力を持っていません。逆に戦争を誘発しているのです。アメリカの政治は健全な保守政治に戻らなければなりません。