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松本雄司氏の
夫婦愛を育てる16のポイント 28
11 愛情表現①

 アプリで読む光言社書籍シリーズ第15弾として、「夫婦愛を育てる16のポイント」を毎週日曜日配信(予定)でお届けします。
 『愛の知恵袋』でおなじみの松本雄司氏が『祝福家庭』誌に連載していた「夫婦愛を育てるために」の書籍版です。男と女の違いから夫婦の愛・夫婦生活に至るまで、ポイントを分かりやすく解説し、まとめています。

松本 雄司・著

(光言社・刊『夫婦愛を育てる16のポイント』より)

愛情表現

「愛されたい」という欲求
 ある婦人から相談を受けました。

 「自分としては、もっと感動的な結婚生活を願っているのに、なぜか、二人の間が情的にしっくりしない。夫は感情をほとんど表に現さないので、私をどう思っているのかよく分からない。この前、思いきってそのことを夫に言ったら、夫は顔を真っ赤にして『そんなこと、いちいち言わなくても分かっているだろう! 私は、あなたや子供たちを思っているからこそ、働いているんだ!』としかられました。それでもやはり、私としてはすっきりしません。愛されているという実感がありません」

 こんな悩みでした。全く同じような悩みを、逆に、夫のほうから聞くこともあります。

 人間の精神的欲求の中で最も強いのが、「愛されたい」という欲求です。この欲求が満たされれば「幸せ」と感じ、満たされないときには「不幸だ」と感じるのです。

 ならば、お互いに愛情をもっていればいいじゃないか、ということになりますが、実際には、愛情をもっていても、それをはっきりと表現していなければ、相手から見ればないのと同じなのです。

愛の“表面化”
 日本人は愛情を言葉や態度にはっきり表すことが、非常に苦手(にがて)だと言われます。「愛というものは、いちいち口に出して言うものではない」という考え方がまだ根強くあります。確かに、「以心伝心(いしんでんしん)」とか「愛は寡黙(かもく)なほど、激しく美しい」というような情緒的な東洋の美観もあり、また、「最も深い愛は、見えない愛だ」とも言われています。

 しかし、夫婦の間においては、やはり、はっきりと言葉や態度に表して愛情表現をしたほうが良いようです。お互いに完全に心が通じ合い、愛情が確信に至っている段階では、「以心伝心」でもよいでしょうが、そのような関係がまだ築かれていないのに「寡黙」であっては、夫婦の愛は、百年たっても燃え上がらないでしょう。

 「愛の表面化をしなさい」というみ言(ことば)があります。愛情は「もっているだけ」では駄目で、「はっきりと表現しなさい」ということです。

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 次回は、「愛情表現②」をお届けします。