ファミリーサポートコーチング講座 6

 「ファミリーサポートコーチング講座」は、文字どおり、より良い家族関係や人間関係を実現するために読者の皆さまをサポートするコーチング講座です。
 毎週月曜日配信予定です。皆さまの家庭生活、信仰生活、社会生活にぜひお役立てください。

第6回 ラポール2 ペーシング

相手の望むペースに合わせる

ナビゲーター:西森 響
監修:阿部 美樹(伝道教育局)

 今回は、ラポール(信頼関係)を築くのに大切な四つの要素のうちの「ペーシング」についてお伝えします。

【相手の望むペースに合わせること】
 ペーシングは、相手の望む「ペースに合わせること」です。
 人間は、安全・安心を求めていますが、人によって安全・安心の基準は違います。相手の安全・安心の基準を尊重したコミュニケーションをとると、ラポールができやすくなります。

 ここで表現している相手のペースとは、呼吸、態度やジェスチャー、話すスピードや声のトーンなど目に見えたり聞こえたりするものと、相手の地域的な風習や方言、興味関心を持っているもの、大切にしている価値観、思考パターン、五感の使い方なども含まれます。

【自然にペーシングをする】
 クライアントがジェスチャーを使ったら、コーチは自分も似たジェスチャーをします。
 クライアントがゆっくりと話したら、コーチもゆっくりと同じペースで話します。
 コーチはクライアントの土俵の上でセッションをするのだと言うことができます。

【日常生活に応用する】
 このペーシングは、夫婦、親子など家族とのやりとり、仕事相手とのコミュニケーション、伝道対象者との対話などにも応用できます。

 数人で待ち合わせすることを例にとってみましょう。
 約束の10分前には行くという人、ちょうどその時間を目指して行く人、多少遅れてもOKという人がいます。時間に対してのスタンスがおのおの違うということが分かります。

 社会常識や固定観念で相手を評価するのではなく、相手のペースを知り、理解していくことで信頼関係もできてくるでしょう。

 会話にあっては、声のトーン、話す速さ、間の取り方、反応速度、使う言葉などを合わせていくことでも心の距離は縮まります。

 例えば「挑戦」という言葉を使う人もいれば「チャレンジ」「トライ」を使う人もいます。相手の使う言葉を使うのもペーシングですし、相手が感情を込めて話しているときにはこちらも感情を込めて話すように心掛けるのもペーシングです。

 一つでも心にとめてみると、以前よりスムーズに会話ができるかもしれません。

 次回は、FSコーチングを受けた50代女性の感想をお届けします。