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2018年08月17日

『ムーンワールド』8月号 読みどころ紹介②
聖書のこころ
ヨセフの物語(1)

 

 

 ヤコブ、すなわちイスラエルに与えられた息子は12人。彼はその中でも11番目のヨセフを深く愛しました。ヨセフは兄たちを手伝い羊飼いをしていましたが、兄たちの悪いうわさを聞くと、そのまま父に告げるのです。そんな弟を、父は特別あつらえの着物を着せてかわいがるので、兄たちは弟を憎むようになりました。

 17歳になったヨセフは、ある日見た夢の話を兄たちに話しました。「私たちが畑で麦の束を結わえていた時、私の束が起きて立つとお兄さんたちの束がそれを囲んでお辞儀をしました」。兄たちは「あなたは私たちの王になると言うのか」と怒ってヨセフをますます憎みました。

 ヨセフはまた別の夢を見て言いました。「太陽と月と11の星とが私にお辞儀をしました」。父イスラエルはヨセフをとがめました。「本当に私と、あなたの母と、兄弟たちがあなたを拝むというのか」。兄たちはこれを聞いてねたみましたが、父はその夢を心に留めました。

 しばらくして、イスラエルは羊を飼ってシケムに出かけた兄たちの様子を見てくるようにと、ヨセフを送り出しました。遠くからやってくるヨセフを見つけた兄たちは、ヨセフを殺してしまおうと相談しました。「あいつを殺したら、あの夢はいったいどうなるだろうね」と言う彼らに長男のルベンは、「殺してはいけない、穴に落として懲らしめるだけにしよう」といさめました。彼は後でヨセフを助けようと思っていたからです。ヨセフが着くと、兄たちは彼の上着をはぎ取り、穴に投げ入れました。

 「兄さんたち、助けてください」。ヨセフの必死の叫びに耳を傾ける者はいませんでした。しばらく様子を眺めていた兄たちの前に隊商が通りかかりました。四男のユダは、それを見て言いました。「ヨセフを殺さないで、隊商に売ってしまおう」。兄たちは、ヨセフを穴から引き出し、銀20シケルで商人に売ってしまいました。商人はヨセフを引きずるようにしてエジプトに連れて行きました。

 ルベンがヨセフを助けようと穴に戻ってみると、そこはもう空でした。彼は激しく悲しみ、どうしてもっと早く来なかったのかと自分を責めました。兄弟たちははぎ取ったヨセフの上着をヤギの血に浸し、家に帰って父に見せました。「確かにヨセフの着物だ。彼は獣にかみ殺された! 私もこのままヨセフの所にいってしまいたい」。愛する子を失って嘆き悲しむ父を、誰も慰めることはできませんでした。(つづく)

 

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