子育て道しるべ 16
孫への教育

(APTF『真の家庭』162号[4月]より)

座間保裕

 一般的に、60歳を過ぎたら孫の教育時代と言われています。そこで、今回は小学生の孫を抱える方の子育て奮戦記を紹介します。

三世代同居の喜び

 今では祖父母の立場に立ちますが、30年前の子育てをしていた当時の自分たちの生活基準を振り返ってみると、結構しっかりしていたなと思います。それゆえに30年前に子育てをした内容が、今、孫教育に大いに役立っています。実は、祖父母、父母が一緒になって孫を育てることができるということが、三世代で同居することの本当の喜びではないかと思います。

音読の習慣性をつける

 教育は毎日の継続が大事なので、孫の勉強をサポートしてあげています。まず取り組んだことは、学校から出される教科書の音読の宿題でした。その宿題には音読に対する父母の一言があって、その一言を先生がよく見て下さっていたので、音読を通して先生とのやりとりができたことが、大変良かったのです。この音読の習慣性を身につけさせることが、次の勉強への習慣性につながったと思います。

ドリル、諺、四字熟語、数字

 小学生になった子供は好奇心が刺激されると、なんでも意欲的にするようになります。たとえば、お風呂前にするドリルは1カ月分を10回で終えるようになりました。寝る時は孫と一緒なのですが、幼稚園時代に習った、数字の読み方、四字熟語、諺などを覚えていて、それを学びます。あるときは「しりとり」もします。すると語彙数も増えてきました。そうこうするうちに、幼稚園生になった下の子が一緒に学ぶようになったのです。

日記をつけさせる

 二人の息子と娘に4人の孫がいますが、「勉強とお手伝いのがんばり表」を作成してみると、成長の差がよくわかります。しかし、決して比較をして無理をさせないよう、子供の個性に合った対応をすることにしています。それで役立っているのが、孫に日記をつけさせる習慣をつけたことでした。すると連鎖的に下の子も日記をつけるようになりました。それに対して、息子による赤ペンのコメント入れが定着したことは、親子関係を円滑にし、楽しくさせることに有益でした。

ポイントのまとめ

 ここで、孫教育で体験したポイントをまとめてみますと、次の点になります。

14歳が節目の年齢でした。4歳前は自動車など直接見に行って、子供が体で感じて覚えて行く時期ですが、4歳以降は机上で教えるものでもよく理解するようになりました。

2)学習上のことで効果的であったことは、覚えるべきものを壁に貼ったことでした。まず貼ったのが風呂場でした。ひらがな、カタカナ、ことわざ、9×9など壁に貼ったものが、勉強のためより親子の会話の種になるのです。

3)祖父母と父母が連携して、子供のがんばりを評価してあげると喜びます。すると、子供は自分からするようになります。その後は、子供には手を出さなくても大丈夫になるのです。