2020.12.31 12:00
もう一度皆さまにぜひ読んでいただきたい、編集部イチオシ!なコンテンツをご紹介。
「家庭力アップ講座」を毎週木曜日配信(予定)でお届けします。
家庭力アップ講座 1
家庭に対するビジョン
家庭教育アドバイザー
多田 聡夫
家庭に対するビジョンは、幸せな家庭をつくるために重要な内容です。今までは、私たちの個人を中心として心を育むための生活でしたが、私たちは、家庭を人間の最小単位として実践する人生として理解を深めていく必要があります。家庭の中には、4つの愛がひとつになっています。子供が誕生してから、子女の愛、兄弟姉妹の愛、夫婦の愛、父母の愛です。この4つの愛を家庭の中の人間関係を通して育んでいきます。その中でも、子女の愛が基盤となっているのです。親と子供の心が通じ合った信頼の上に安心感が親子の心を包むようになります。「私のことをなんでもわかっていてくれる」と子供から一度は言われなくてはなりません。この信頼の基盤の上に親子の愛は成長していくでしょう。そして、親は、真の親として成長が始まるのです。
また、夫婦でお茶を飲みながら家族について話し合うことも、「おまえ、最近美しくなったね」、「あなたが愛してくれるからよ」というのろけ話も、実は夫婦の心が通い合う大切な生活の一コマなのです。
親は子供の「やる気」と「思いやりの心」、「感謝の心」が育つような、真の愛情に包まれた教育環境を整えることが大切です。これがこの講座の第1の目的となります。そのためには親自身が「やる気」と「思いやりの心」、「感謝の心」をもった人になっていなければなりません。親がそうなっていないのに、子供だけがやる気があって、思いやりと感謝の心をもつことは難しいことではないでしょうか。
目的と課題を明確に
家庭力アップ講座には、4つの観点が大切になります。第1に、親の愛が子供に届くこと。第2に、子供が育つ環境を作ること。第3は、親が目的に向かって成長すること。第4に、家庭のゴールを明確にすることです。この場を通して、4つの観点で、個性完成、家庭完成ができるように具体的に学ぶ場としていきたいと思います。内的には、感謝の心情、共感する姿勢、この2つが重要になります。
まず、どういう家庭を目指し、どういう子供に育てたいのかというゴールを明確にする必要があります。皆さんは、夫婦で、または家族で「どんな家族をつくろうか?」などという話し合いをしたことがあるでしょうか。会社や、スポーツのサークルなどの場合、年間目標を立て、目的を共有し、課題を共有します。そして、目的に向かって、問題を克服しながら前進していこうとします。ところが、私たちの愛や力の根本でもある家庭は、もっと深い絆を結ぶ必要があるのですが、なかなかそうはいきません。私達の愛する家庭であれば一層、絆を深めてゴールを一致する必要があります。家庭の目的が明確になれば、いろいろ問題が起きたとしても家庭の軌道修正がたやすくできるようになります。ですから、この「家庭力アップ講座」ではまず、家族が一つの目的に向かって生活できるようにするために家族会議をしながら、具体的な家族の共通の目的を話し合います。ですから、家族会議のできる家族となることが第2の目的です。
そして、社会の為に家族ボランティアをできるようにしていきます。社会への奉仕こそ、家族の中で育んできた、人の為に生きる文化を社会で一つ一つ実践することとなるのです。これが第3の目的です。
この「家庭力アップ講座」は、知識として様々な内容を私達に提供し、私達が目指す理想家庭へ向かういくつかの段階を提示してくれることと思います。そして、今抱えているテーマや悩みに対する回答と出会うことができると信じています。この学習でより効果が上がる方法は、4人ぐらいでグループを作り今まで誰にも相談できなかった夫婦、親子などの家族での人間関係を、心を開いて話すようにすることです。そのためには、しっかりと秘密をお互いに守り、セミナー以外では話さないようにして、信頼関係を築くことでしょう。ですから、本当の家族のような関係を結べるように導いていくことです。ですから一言でいえば「絆」ということでしょうか。もちろん1人で学ぶことも有効ですが、いろんな考え方を持っている人がいる中で、一度自分自身の可能性に挑戦してみてはどうでしょうか。
実践と学習の整理を
ここで、学習方法を紹介します。
この「家庭力アップ講座」は、学習の区切りのよい所で、話し合いをするようになっています。話し合いが終わったらまた学習を始めます。一つのテーマの学習が終了したら、その内容を7〜10日、各家庭で実践します。そして、次の集会のときにお互いに実践してきた内容を話し合います。うまく実践できた人は、体験を発表して、なかなかうまくいかなかった場合は、みんなで一緒に考えていきます。リーダーは、話し合える雰囲気を大切にしながらグループをリードしていきます。また一人での学習では、自らが実践してみて、もう一度この内容を学習しながら整理するのがよいでしょう。
家庭生活の中で、相手を変えようと、色々と努力をしてこられた事でしょう。相手の行動を、正そうと一生懸命に努力されてこられたのではないでしょうか。この学習をする前に、一度大きく深呼吸をしてみませんか。そして、相手の行動を変えさせるのではなく、何故そのような行動をとるのかという、相手の気持ちを理解できる自分自身になってみませんか。
今までの生活習慣が、身についているわけですから、すぐには自分自身を変えることは難しいでしょう。ここで提供されている学習内容を2.3回ほど繰り返しながら、参加している方々と家族関係を作り上げてみることを楽しんでみてはいかがでしょうか。「絆」作りです。相手の気持ちを感じることができるようになるという、自分自身の成長を感じる時、必ず皆さんの家庭の中に少しずつ変化を感じることでしょう。それも、嬉しい変化を発見するに違いありません。
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この学習を始めるにあたり、たとえどんなことがあっても、①夢をあきらめない、②家族をあきらめない、③自分をあきらめない、この3点を忘れないようにしてまいりましょう。