自叙伝書写 感動体験集
第66回 書写で20年来の息子の病気が回復

(宮城県仙台市、62歳 女性)

 私がこちら(世界平和統一家庭連合/以下、家庭連合)とご縁を頂きましたのは、一年半前のことです。

 ある日、きれいなご婦人がわが家を訪れ、「書写を書いてみませんか」と勧めてこられました。
 「この手の勧誘は要らないわ」とお断りするつもりでした。実践倫理宏正会の朝起会に参加していたからです。

 しかしなぜか分かりませんが、そのご婦人のニコニコと熱心に話される言葉が私の心に入ってきました。

 温かさと優しさを感じ、不思議なことに、玄関から見える仏壇の奥から、亡きおばあちゃんの「行ってこいなぁ」という思いが声なき声として伝わってくるのです。気が付けば2時間も話し込んだ末、次にお会いする約束までしていました。

 私には夫と3人の子供がおりますが、長男のことで長年、悩んできました。
 長男は16歳の時、突如として心の病を患い、その後20年もの間、苦しみ続けてきました。
 長男は意欲がなく、抜け殻になったように痩せ細り、一人で歩けないほど衰弱し、入退院を繰り返していました。

 そんな私も家族のこと、自分のことで限界を感じ、今から10年前に実践倫理宏正会に通うようになったのです。
 そちらの朝起会に通いつつも、教会(家庭連合)に行ってお聴きするみ言(家庭連合の教え)の内容に、驚きと感動、反省を重ねながら、何とか家族が幸せになれるよう努めてまいりました。また、昨年夏には先祖を思いながら祈願書を書いて、先祖の還元祈願礼式(当時の名称)も行いました。

 そのようなご指導や学びの後、書写は今年に入ってから始めました。
 最初は毎日できないこともあったのですが、家族のことを思い、その願いも切実なものになってくると、姿勢を正して書写に向き合うようになりました。
 み言を知らない家族の幸せを祈願した私は、家族4人分の書写をそれぞれの名前で毎日書くことにしました。

 そんな折、先ほど申し上げた長男の様子が見る見るうちに変わってきました。
 体力がなく、すぐベッドに横になり、人と接することは何より苦手で、「外に出るのが怖い」と言って人前に出ることのなかった長男がです。

 実践倫理の話で恐縮ですが、毎朝、朝起会に顔を出すようになり、先月、青森で行われた数千人が集まる大会に、急きょ参加することになりました。
 「人が集まる場所には絶対行きたくない」と言っていた長男でしたが、それまでの姿を知っているかたがたは大変驚き、喜んでくれました。そして何より喜んだのはこの私です。

 長男が言いました。
 「お母さん、不思議なんだよね。何も考え込むことなくすんなり行動できるんだよ。自分に夢が見つかったよ。保育士になって、働いたお給料でお母さんにスマホ買ってあげるからね」

 この1カ月で、自分のことだけで精いっぱいだった長男に笑顔が戻り、飼い犬をあやし、妹や姪(めい)っ子をかわいがり、親のことを思いやれるような姿に変わったのでした。

 まだ私は朝起会に行っていますが、長男の急変ぶりを知るかたがたから演談(証し)をしてほしいと頼まれ、つい先日も話をしてきました。
 周りから「すごいね。"おかげさま"を頂けて良かったね」と言われるのですが、私の内心は複雑です。この10年間、倫理実践をしてきましたが、こんなにも良い現象が起こったのは最近のことです。表面では「ありがとうございます」と申しますが、心の中では、「書写のおかげなんだけど」と語っています。

 わが家は確実に変わってきています。夫もその他の子供たちも。特に、当たり前のことができなかった長男が夢を実現させようと意欲的に行動している姿を見て、還元祈願礼式と書写を通じて、幸運が訪れていることに心から感謝しています。