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氏族伝道の心理学 26
氏族関係の改善と氏族的メシヤ

 光言社書籍シリーズで好評だった『氏族伝道の心理学』をお届けします。
 臨床心理士の大知勇治氏が、心理学の観点から氏族伝道を解き明かします。

大知 勇治・著

(光言社・刊『成約時代の牧会カウンセリング 氏族伝道の心理学』より)

第3章 氏族的メシヤ勝利と心の問題解決

氏族関係の改善と氏族的メシヤ
 親に侍り、親子関係を本然の関係に変えていきながら、さらにその関係を祖父母、兄弟、おじ・おば、いとこへと広げていく必要があります。そこに氏族的メシヤを完成していく道が見えてきます。

 ところで、ここで氏族的メシヤとは何か、氏族的メシヤを完成するとはどういうことかということを考えておこうと思います。

 先に述べたように、真の父母様は、神様の恨の心情の解放と釈放をされ、すなわち神様の「不安」と「怒り」を解かれ、神様と人類の本然の関係を回復されました。そして、その結果、人類のメシヤとしての使命を果たされたとも言えるでしょう。

 私たちも、氏族的メシヤとなるためにまずなさなくてはならないことは、父母の不安と怒りを解いて、創造本然の親子関係になることです。そして、兄弟関係や親戚関係の中にある不安と怒りをすべて解いて、家族関係や氏族関係が創造本然の関係になった時、その時が氏族的メシヤの完成と言えるのです。

 氏族的メシヤとは、ビデオや原理講義によって氏族圏にみ言を聞かせることでも、親族にお願いして聖酒を飲んでもらって祈祷することだけでもありませんし、親族を祝福に導くことにより氏族的メシヤが完成するわけでもありません。

 み言を聞かせることよりも重要なことは、親や親族の不安と怒りを解いて、愛と信頼に基づく、創造本然の親子・親族関係を回復することです。それができれば、み言を語らなくても、自然と親や親族は統一教会に賛同的になり、聖酒を飲んでくれるようになります。

 逆に言えば、氏族がみな祝福家庭となったとしても、氏族関係の中に不安と怒りが残っており、本然の関係ができていなければ、氏族的メシヤは完成しておらず、氏族的メシヤとしての使命が残っているということです。

 祝福を受けた二世が、家庭を出発する際には両親と同居していたけれど、嫁姑の関係がこじれて、結局は別居してしまったという話を聞くことがあります。こうした場合には、まだまだ解決すべき歴史的問題が残っているということになります。ですから、先に述べたように、祝福は氏族的メシヤの結論ではなく、氏族内の不安と怒りがすべてなくなり愛の関係が結べた時が、氏族的メシヤの完成なのです。

 ただし、ここで注意しなくてはならないことがあります。「両親と私は良い関係です」とか、「うちは、親戚関係は良いですよ」という方がいらっしゃいます。特にみ言と出会うことにより、自分自身の問題に気づき、両親に対する憎しみが消えて許すことができた、あるいは兄弟げんかをしなくなったという方は少なくありません。それは素晴らしいことです。でも果たして本当にすべてを許すことができているのか、現状の親子関係や親戚関係で十分なのかということが重要です。

 ここで少し、人間関係について考えていきましょう。人間関係には、「良い関係」と「悪い関係」があります。そして、誰でも悪い関係よりも良い関係のほうを望みますし、良い関係になろうとします。つまり図6(下記)のようなイメージです。

 ところで、人間関係には、悪い、良いの軸のほかに、もう一つ、「濃い関係」と「薄い関係」という軸があります。そして、悪い関係を良くしようとしたとき、一番簡単な方法は、図7のように関係を薄くしていくことです。

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 次回は、「濃くて良い人間関係をつくる」をお届けします。


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