2020.11.08 22:00
珈琲徒然草【最終回】
コーヒーをこよなく愛する、“コーヒーコーディネーター・アロハ豆蔵”氏による、コラム「珈琲徒然草」。コーヒーのうんちくから、コーヒーのおいしい入れ方まで、毎日飲むコーヒーが“ちょっと”おいしくなるコラムを再配信でお届けいたします。
読んでから飲むか、飲んでから読むか。「コーヒーを毎日飲む」というかた、必見です!
第7回 一杯のコーヒーが世界平和につながっている
アロハ豆蔵(コーヒーコーディネーター)
皆さん、おいしいコーヒーを飲んでいますか?
いきなりコーヒーで世界平和なんて言われてもピンとこないかも知れません。
しかし、このコラムを読み終わった頃にはあなたもコーヒーに対する意識が少し変わると信じています。
コーヒーの産地は主に赤道直下の山々で栽培されています。
その地帯は「コーヒーベルト」と呼ばれ、アフリカ北部、東南アジア、中南米、ハワイなどが挙げられます。
日本では沖縄県の南側で栽培されている所もあるようですが、基本的に日本で飲めるコーヒーはほぼ輸入に頼っているのが現状です。
赤道直下の国々は経済的にまだまだ発展途上の所が多く、コーヒー農園で働く人々は女性や子供たちであり、過酷な労働環境に置かれている所も少なくありません。
コーヒーの主な「消費者は先進国」であり、「生産者が発展途上国」という構図がコーヒーの現状なのです。
コーヒー農園から私たちがコーヒーを飲むまでには多くの仲介業者が関与していますが、例えば1杯300円のコーヒーで農園の生産者に還元されるのはわずか3円にも満たないところが大半です。
近年、こうした問題を喚起する映画や書籍なども多く見られるようになりました。
具体的な業界の動きとして、なるべく生産者に利益を還元する仕組みづくりを目指す「フェアトレード」、森林伐採や農薬問題には「レインフォレストアライアンス」など、より高品質なコーヒーを生産すればより利益を得られることを生産者に認識させていく活動が活発化しています。
また、東南アジアなどでは山間部でケシの栽培が行われている地域も多く、麻薬撲滅の一環としてこうしたケシ畑をコーヒー畑に変えていく運動もコーヒー業界で徐々に広まってきました。
ですからこうした貧富の格差の是正や環境問題、麻薬撲滅運動を通して世界平和の一躍を担えるのがコーヒーであると思っています。
最近はカフェに行くと「〇〇産××農園のコーヒー」など、農園までうたってその品質をアピールしているところが増えてきました。それもフェアトレードの一環です。
さて、「珈琲徒然草」も今回が最終回。
最後は少し大きな視点からお話ししてみましたが、皆さまが飲む一杯のコーヒーが世界平和につながっているとご理解いただければ幸いです。
たかがコーヒー、されどコーヒー。コーヒーの世界は知れば知るほど奥深いものです。
一人でも多くのかたがたがコーヒーに興味を持っていただけますように。
拙いこのコラムに最後までお付き合いいただきありがとうございました。
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