子育て道しるべ 5
学童期(2)

(APTF『真の家庭』151号[5月]より)

座間保裕

学童期は感性がピーク

【教育の黄金期】…正しい基礎教育が大事

 この時期の特徴は、常に親子一体となって、子供が親の姿から多くを吸収すると共に、最も純粋に素直に物事を吸収する時期でもあります。すなわち教育の黄金期と言ってもよいのです。知識欲が旺盛になり、芸術・体育的センスも啓発され、宗教的・倫理的感性も敏感な年頃になります。それゆえに正しい教育の基礎基本を確立する時であります。このような大切な時期であることを踏まえて、父母としてはいかなる対応をすべきかについて考えてみたいと思います。

【良い環境づくり】…悪より善の量を多く提供

 その第1は良い環境を提供してあげることです。「居は人を作る」とも言われ、家庭環境、社会環境、自然環境から、子供たちは多くを吸収して育ちます。良い環境を提示しなければ、すなわち教育しなければ、悪なる環境にどんどん染まる時期でもあるのです。それゆえにこの時期には、家庭や社会で、良いもの、本物、善なるもの、神聖なるもの、一流のもの、一級品にたくさん触れさせて、多くの感動を覚える体験が重要なのです。従って悪の環境以上に、善の環境を多く提供するという量の闘いの時であることを肝に銘じなければなりません。

【天才教育の時】…父母の使命は良き師を探すこと

 さてこの時期が、吸収力抜群の時ということは、第2に天才教育(すべての子どもたちの個性開花)の時であるといえます。それ故に天才になる芽は、感性がピークになる小学生期に出てきます。そこで、NHKTV番組に「ようこそ先輩課外授業」とありますが、一流の方、一級品の実力者に小学生を出会わせているのです。小学生の目は爛々と輝いていて、その時受けた感動や衝撃は生涯を貫く夢になるに違いありません。

 ところで、天才教育には3条件が必要で、1に天性、2に師、3に逆境と言われます。特に良き師との出会いは重要です。子供の才能にほれ込む方がいるかどうかがポイントになります。まず、その候補の第1は両親です。両親が子どもの輝く才能に気がつき、ほれ込み、子供の最大の応援団になり、さらに専門分野の指導者を探すことが親の使命になります。

【神聖なる価値性を育む】…祖父母と孫の出会いから

 幼少期の夢が生涯を貫き、その人の人生となることは、実に多いものです。そして、その夢が真に価値を発揮するためには、より高い価値観に裏付けされてこそ発揮されます。それが聖的価値(宗教性=自己を献身的に公的なるものへ奉仕する心)であると思われます。従って、その原点となる幼少期の家族団欒、地域社会のぬくもりを味わうことが非常に大切になります。そういう意味で祖父母と孫の出会いには、将来の人生に関わる大切な思い出ができることでしょう。