『平和の母』から学ぶ13の人生の道しるべ 7

幸せな家庭を築く上で最も大切な要素が真の愛です

浅川 勇男

 「平和の母」シリーズ第2弾。自叙伝書写の第一人者、浅川勇男氏による「『平和の母』から学ぶ13の人生の道しるべ」をお届けします。

 新型コロナウイルスが猛威を振るい、自宅で仕事する夫たちが増えました。政府によるコロナ対策の結果でもあります。

 コロナにはある程度対応できましたが、新たなる本質的な問題が噴出しました。
 家庭内暴力、DV(ドメスティック・バイオレンス)です。

 国家の基盤は家庭です。政府が国家の方針として外出を規制し、家庭待機させる事態は、家族円満、夫婦円満の絶好のチャンスともいえました。だからこそ、仕事や家事、子育てなどの忙しさを理由に、曖昧にしてきた夫婦関係を見つめ直す時だったのです。

 “コロナ離婚”や、家庭に居場所を失った“コロナ難民”などの言葉が流布される中で、「コロナ円満」という夫婦が多数現れなければなりませんでした。
 酒場やパチンコに出歩かず、夫婦の愛を殺菌消毒する環境浄化の時でもありました。

 「私は今、48年ぶりで新婚生活を味わっています。毎日、幸せ満杯です」と語るのは、結婚以来、家庭にいることが少なく、日本全国はもちろん世界を回って、生涯の大半を仕事に費やしたある壮年のかたです。

 子供はすでに結婚しており、孫もおり、現在は、妻と二人暮らし。新婚以来、二人だけの生活はほとんどありませんでした。ところがコロナのために生活は一変して、彼は毎日家にいることに…。

 感染を防ぐために、妻は毎日、夫の下着や寝具を洗濯しました。布団も数日ごとに干しました。そのため、太陽の暖かさと妻の愛がコラボして、いい香りと豊かさが家の中に溢れました。毎日、朝、昼、晩と、夫婦は同じ食卓に着いて向かい合って食事をしました。全て妻の手料理でした。

 コロナの前は、彼は仕事の故にいつも外食でした。豪華なレストランで接待されることもあれば、吉野家や松屋で牛丼を食べることもありました。しかし最上のレストランの料理も、妻の料理にはかなわないと、つくづく夫は思ったのです。
 愛とは不思議な食材です。ご飯とふりかけ、キュウリと豆腐だけで、極上の料理に昇華するのですから…。

 ふと振り向くと、そこに妻がいます。一生懸命針仕事をしている、その姿を見るだけで、もう十分なのです。
 いかなる観光地の大自然であっても、これより美しい光景は地球上に存在しないでしょう。エプロンをした妻の姿こそ、絶景です。

 彼は思わずつぶやきました。
 「48年ぶりの新婚生活だね」
 妻はにっこりとうなずきました。
 夫婦が愛で一つになれば「災い転じて福となす」。

 世界平和のために、比類のない夫婦愛を完成させた韓鶴子夫人は語っています。
 「夫婦が愛の神聖さを信じ、責任を果たすとき、幸せが宿る家庭が築かれます。…幸せな家庭を築く上で最も重要な要素が、真の愛です」(韓鶴子総裁自叙伝『人類の涙をぬぐう平和の母』274ページ)

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