2020.05.25 22:00
スマホで立ち読み Vol.9
『地域化講座~地域づくりは国づくり~天一国時代の伝道論』(8)
入山 聖基・著
「スマホで立ち読み」コーナー第9弾で取り上げるのは、『地域化講座~地域づくりは国づくり~天一国時代の伝道論』です。
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第一章 カインの祭物
復帰摂理の最終ランナー
神氏族メシヤは復帰摂理の最終ランナーです。
アダム家庭の摂理において、アベルがその立場を全うできなかったゆえに、空席となってしまった「アベルの立場」を勝利してくれる中心人物を天は探し続けました。その最終的な終着地が神氏族メシヤなのです。ここにおいてはじめて復帰摂理歴史の初めと終わりが一本につながるのです。
神氏族メシヤは氏族のアベルです。「アベルの立場」に立つ者は、二つのこころを知らなければなりません。
第一に、「神様のこころ」を知らなければなりません。
神様が、いまだに復帰されていない氏族をどれだけ祝福し、救いたいかという熱い想いを知らなければなりません。そしてその「こころ」の火を私の心に写してこそ、あらゆる困難を貫いて最後まで使命を全うできる原動力を持つことができるでしょう。
第二に、「兄カインのこころ」を知らなければなりません。
カインとは、いまだに復帰されておらず、神様の祝福を受けられずにいる氏族や地域の人々です。その人々は、神様の護りを受けられない環境の中で苦しみながら生きています。悪なる姿をさらしながらも、心の底では、「救われたい!」と叫びながら、神様の救いを求めています。その「こころ」を知らなければなりません。
そして、「それでもおまえを愛している」という「神様のこころ」を、「私は神様から愛されていない」と思っているカイン的人生観に立つ氏族や地域の人々の心の中に届けなければなりません。
「犠牲と護り」で考えてみましょう。
私が天の祝福を受け、天から護られてきた背後で、祝福を受けられずに生きていて、先祖の蕩減のままに、病気、事故、怪我、人間関係の不和、強い悪の誘惑を受けるという犠牲を受けている兄弟、氏族がいることを知らなければなりません。
神様の祝福を受け、真理を学んでいる私たちが正しいのだから、話を聞くべきだとどんなに訴えても、それだけでは故郷の親族を復帰することは簡単ではありません。
それは、アベルの立場だけで摂理を考えていたからです。カインにも立場があるのです。
私たちが天から祝福を受け、愛され、護られてきたのは、神様の代わりにカインの立場にいる氏族を愛するために与えられた恩恵だったのです。それなのに、自分が天の祝福を受けた者なのだから、絶対に正しく、自分に従うべきであるという考えでカイン圏の人々に接したらどうなるでしょうか?
さらに、その結果、自分を受け入れず、理解しない家族や氏族をむしろ恨んでしまっていたら……。自分がみ旨の道にいるからといって、自分が一族の中で一番善であり、一番犠牲を捧げていて、一番苦労していると考えながらも、その苦労を信仰で消化できず、さびしく思い、恨みになってしまっていたら……。
み旨の苦労ゆえに感謝できない思いで心がいっぱいになっている状態では、決して、「カインのこころ」、「サタン世界で生きる苦しみ」は見えてこないでしょう。
氏族のアベルである私たちは、カイン圏にいる人々の立場に立って考えるならば、氏族を神様のもとに復帰するという同じ摂理の中で、立場が二つに分かれた人々の心が一つにつながって、共に生きることができる道が開かれるのです。
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次回もお楽しみに!