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スマホで立ち読み Vol.9
『地域化講座~地域づくりは国づくり~天一国時代の伝道論』(3)

入山聖基・著

 「スマホで立ち読み」コーナー第9弾で取り上げるのは、『地域化講座~地域づくりは国づくり~天一国時代の伝道論』です。

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第一章 カインの祭物
善悪の母体

 復帰摂理は、アダム家庭から始まりました。しかし、神様はアダムとエバをアダム家庭の中心人物に立てることができませんでした。なぜでしょうか? それは、アダムとエバが「善悪の母体」になってしまったからです。

 「善悪の母体」とは、どういう状態なのでしょうか?

 神様がアダムを創造したという事実は、アダムが堕落したとしても変わりません。アダムは本来、神様のものです。しかし、アダムが堕落することによって神様の血統を失いました。

 “神に対する心情を失うようになり、サタンの血統を受け継いだのです”(参照、『原理講論』557ページ)

 これは、血統と心情がつながっていることを教えています。以後、アダムおよびその堕落の血統を受け継いだ人類は、良心と邪心の二つの心の葛藤に苦しめられるのです。

 本来、神様のみに対応して生活する立場、すなわち、神様の声だけが聞こえる立場であったのに、堕落することでサタンの声も聞こえてしまい、それを無視できない、〝中間位置〟に置かれるアダムとなりました。これが善悪の母体という状態なのです。

 神様の事情が頭では理解できても、心はサタンに近かったのです。自己中心に傾くと、神様の気持ちより、サタンの気持ちのほうがよく理解できるのです。

 アダムとエバの二人には、自らの堕落行為に対して、「自分のせいではない」と自己正当化したい思いがありました。そして、自らの行動の結果に対して自分の責任だと受け止めきれず、「神様(親)のせい」あるいは、「サタンのせい」だと責任転嫁したのです。それが「恨み」です。それは、サタンとなった天使長ルーシェルとまったく同じ心理構造です。

 このような状態では、神様はアダムとエバを復帰摂理の中心に立てることができませんでした。

 もし、アダムとエバが堕落したのちに、自分の取った行動とその結果に対して、自分の責任だと受け止めて、「悔い改める」ことができたならば、そこに救いの余地が生まれ、人間の責任分担を取り戻す、復帰の摂理がより容易に展開されていたことでしょう。

 今日の私たちも、これとまったく同じ信仰課題を抱えていることがあります。

 頭では、神様の事情が分かっていても、心は、自分の事情でいっぱいになり、自分の行動の結果を受け止めきれず、自己正当化と責任転嫁に満ちて、恨みを持ってしまっているとしたなら、それこそまさしく、神様の前に「善悪の母体」となったアダムとエバと同じ姿なのです。それでは復帰摂理の中心人物に立てません。

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 次回もお楽しみに!



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