2020.04.20 22:00
自叙伝書写 感動体験集
第32回 家族書写で、障害の子に、姉親子に、そして家族全体に奇跡が起こる(前編)
心の書写を通して、私の家族、親族が変わっていったことを証しさせていただきます。
第一の奇跡
私の息子は19歳になりますが、知的障害を持っています。文字は、ひらがなが書ける程度です。
特別支援学校の高校3年生の秋、卒業してからの進路を決める時のことです。希望する作業所には、すでに定員オーバーで受け入れていないと言われていました。
でも息子は、実習に行ったその作業所で働きたいと強く願いました。
どうしようかと困っていたところ、ふと思い付いたのが、心の書写でした。
この子にはこれが一番ピッタリだと思い、「世界が一つになって平和に暮らす」という言葉を選び、息子にやってみようと声を掛けると、すんなりやり始めて、うまくできなくても一生懸命書いていました。
そのうち私が声を掛けなくても自分で一日一枚書くようになりました。そうして2カ月たった時、希望していた作業所から受け入れオーケーの連絡が来たのです。この間、何度もお願いに行きましたが、なかなか前進しなかったので、もうダメかなと諦めそうにもなりました。ですから内定をもらった時は、本当にびっくりしました。やっぱり心の書写はすごいんだなあと実感しました。
第二の奇跡
姉には二人の息子がいますが、6年ほど前に別々に暮らすようになり、母親の立場を放棄してしまいました。親子の間には簡単には埋まらない溝ができていました。姉は心身共に病気を患い、毎日が精いっぱいの生活をしていました。
時が過ぎ、姉は自分が子供を傷つけてしまったことを悔やんでも悔やみきれないほどに悩んでいました。
私は心の書写を勧めてみました。
最初は「え~、これで何が変わるの?」と不思議に思ったようです。私の息子の書写の証しをしたところ、不器用にも一生懸命取り組んだ甥(おい)の素直さに姉は感動し、「じゃあ、私もやってみるわ」とやり始めました。
姉は二人の息子の幸せを願って、ただただ心の書写を信じて、毎日、言葉を読み、願いがかなうことを祈り、書き続けました。すると、2カ月たった頃、二人の息子たちが初めて母親を家に呼んでくれたのだそうです。今までどんなに願ってもかなわなかったことが、「自叙伝心の書写」を通してかなったのです。
待ちに待ったその日を迎え、息子の家を訪ねた時、姉は自分の体調のことはさておき、息子たちにご飯を作って食べさせ、洗濯をしてやり、できることは何でもしてやりたいと思ってやったそうです。
すると帰り際に、息子に「また来てもいいよ」と言われ、今では2週間に1回、息子たちと過ごす時間を持てるようになりました。ご飯を作ってあげることもでき、母としてやり直すチャンスが与えられたのです。
体調が悪い中で作る姉の料理は、本当に簡単なものですが、それでも息子たちは喜んで待っているというのです。今まで毎日、コンビニ弁当やインスタント食品しか食べていなかった息子たちが健康のことを考えるようになり、自炊をするようになりました。
姉は「心の書写のおかげや。ありがたいわ。教えてくれてありがとう」と言ってくれました。
そして、喜びに満ち、感謝の気持ちを持って心の書写をする姉の姿を見ながら、「それって何だろう?」と気になっている母の姿がありました。(続く)