「幸せな結婚」を考える 23
第5章 愛の成長(後編)
夫婦の愛(5):夫婦の愛は高度な愛

 もう一度皆さまにぜひ読んでいただきたい、編集部イチオシ!なコンテンツをご紹介。
 第4弾は、『「幸せな結婚」を考える』を毎週火曜日配信(予定)でお届けします。

ナビゲーター:長岡 高史

 夫婦になるということは、無条件に相手のために生きることができ、目の前の人を唯一、永遠に愛する覚悟があり、生まれてくる生命に責任をもてなければなりません。そのためには、人格の成熟、心の成熟が絶対不可欠です。

 恋愛をしている男女の多くが、「相手を愛している」と思っています。しかし実際は「こうあってほしい」「あああってほしい」という自らの勝手なイメージを相手にかぶせ、そのイメージを愛しているにすぎません。

 「君は僕の理想に合っていなきゃだめなんだ!」
 「私はこういう人間だから、そのままを受け入れて!」
 「君がいてくれなければ、僕は生きていけない!」

 これは、子供が親に求めるような欲求、いわば「子女の愛」のレベルの要求です。子供の時に満たされなかった心の穴を、異性を通して埋め合わせようとしているにすぎないのです。

 ドイツの心理学者エーリッヒフロムはこのように述べます。

 幼稚な愛は「愛されているから愛する」という原則に従う。成熟した愛は「愛するから愛される」という原則に従う。未成熟な愛は「あなたが必要だから愛する」と言い、成熟した愛は「あなたを愛しているから、あなたが必要だ」と言う。

 男女が夫婦になるというのは、お互いが「愛される立場」から「愛する立場」に立つことであり、結婚に求められるのは、「愛されること」よりも「愛すること」です。

 夫婦の愛は高度な愛であり、そのためには自分自身が成長しなければならないのです。