2018.02.06 12:00
シリーズ・「宗教」を読み解く 1
宗教和合の時代
ナビゲーター:石丸 志信
2014年5月、ローマ教皇フランシスコが中東歴訪中、アルゼンチン時代からの友人でユダヤ教とイスラームの指導者を同伴して嘆きの壁を訪問したことは世間を驚かせた。エルサレムポストは、これを「宗教間に平和が可能であることを示唆する」光景だったと報じた。
YouTubeでTEDカンファレンスを検索すると、ユダヤ教、キリスト教、イスラームの三人の指導者が肩を組み親しく語る珍しい光景に出くわす。The Interfaith Amigosというこのチームは、9.11以降、宗教対話の促進により各宗教伝統の叡智を結集して、現代社会の問題解決の道を示す活動を展開している。
今や世界の諸宗教が自らの教勢を拡大することのみに精力を注ぎ込み、他宗教を異端、あるいは邪教として排斥する時代は終わりを告げようとしている。宗教は、おのおのの伝統と歴史を尊重し、人類と世界平和のために協力することが求められている。世界人類が自由と平和と幸福を享受するためには、宗教者自らが宗教間の壁を超えて協力して実践し、平和のモデルを示す必要がある。