シリーズ・「宗教」を読み解く 90
京都キリシタン巡礼①

日本26聖人発祥の地に立つ

ナビゲーター:石丸 志信

 IAPD-Japan(平和と開発のための宗教者協議会)は、10月7日、来日中のフェリクス枢機卿を京都キリシタンゆかりの地に案内した。

▲石丸志信氏(世界平和宗教連合会長)から説明を聞くフェリクス枢機卿(右から二人目)

 京都市下京区にかつて「ダイウス町」と呼ばれた地域があり、その一画にフランシスカン・チャペルがあった。「デウス(神:創造主)」を信じる者たちが住んだ町という意味でこの名が付けられた。当時、都には多くのキリスト教徒がいたのだ。

 1597年に、豊臣秀吉の命令により長崎で殉教した日本26聖人は、この辺りに住んでいたフランシスコ会宣教師と彼らの活動を助ける信徒らが大半を占める。
 発祥の地というのは、ここで捕らえられたためだ。彼らは市中引き回しの上に、長崎まで歩かされ、西坂の丘で十字架に磔(はりつけ)となり処刑されている。

 チャペルの庭には彼らがたどった京都から長崎までの道のりを記す石碑が並び、小さな巡礼路となっている。

 ドミニカ国から来日した枢機卿は、日本のキリスト教史に触れて圧倒されていた。
 宣教師ザビエルが日本にキリスト教を伝えたのは1549年である。それからおよそ半世紀後に起こった日本26聖人殉教の物語に強い衝撃を受けて沈黙した。