歴史と世界の中の日本人
13回 世界に貢献する「日本人」

(YFWP『NEW YOUTH』167号[2014年5月号]より)

 今回は、特定の日本人ではなく、「日本人」を取り上げてみたい。
 日本が政府であれ民間(非政府)であれ、世界に貢献してきた歴史は、そのまま世界に貢献してきた「日本人」の歴史として評価することができるからだ。

 1954年のコロンボ・プラン加盟以来、日本は世界の途上国援助を行ってきた。その規模は、自国の経済的実力に比例して拡大してきたといえる。
 1991年から2000年までの十年間に限っていえば、援助額において世界第一位である。

 2003年の統計によれば、日本がこれまでODA(政府開発援助)を供与した国と地域の数は185カ国・地域に及び、援助総額は2210億ドルに上る。

 具体的な支援の内容は、経済・社会のインフラ整備、安全で安定した飲料水の提供、衛生的な下水道の整備、ポリオ・ワクチンの供給などの医療支援、支援国現地あるいは研修者を日本に招いての技術指導、識字教育などの教育支援など。

 日本のODAは国連機関を通じても実施されてきたが、日本は1950年代から国連や世界銀行をはじめとする国際機関への資金の拠出を開始し、多くの機関で理事国として各機関の政策決定や運営に寄与してきた。

 日本が最大の資金拠出国となっている国際機関には、アジア開発銀行(ADB)、アジア生産性機構(APO)、国連工業開発機関(UNIDO)、アフリ力開発基金(ADF)などがある。

 資金面だけでなく、人的貢献の面でも日本の果たした役割は大きい。
 数多くの日本人が世界を舞台に優れたリーダーシップを発揮し、活躍している。
 国連難民高等弁務官の緒方貞子氏をはじめ、国連カンボジア暫定機構事務総長特別代表、ユーゴスラビア問題事務総長特別代表、人道問題担当事務次長などを歴任した明石康氏らの名前は読者の皆さんもよくご存じのことだろう。

 ODA、国連機関を通じてのみならず、昨今の民間(NGONPO)としての日本人の国際協力、国際貢献は目を見張るものがある。

 統一運動もまた、その一角を担っているのだ。

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 次回は、「ギニアを愛した日本人」をお届けします。