2019.10.19 22:00
日本、2020年に「宇宙部隊」創設!(前編)
アメリカの「宇宙軍」がスターしたことで、いよいよ、映画「スター・ウォーズ」が現実のこととなってきました。
8月29日、ホワイトハウスで宇宙軍発足式典が開催されました。日本においても、すでに2020年に「宇宙部隊」を創設することが決まっています。
宇宙でも「日米同盟強化」の時代を迎えます。これは日本にとって、とても良いことです。
宇宙軍発足式典でトランプ大統領は、「アメリカの安全保障にとって宇宙の重要性を認識した歴史的な日だ」と強調しました。
また、レイモンド宇宙軍司令官も記者会見で、最大の任務は「宇宙での軍事衝突を抑止することだ」と強調しています。そして、日本などの同盟国との連携を強めつつ能力強化を図る、と語っています。
私が世界日報のワシントン特派員、アメリカ総局長の時代に「スター・ウォーズ計画」がありました。いわゆるSDI(戦略防衛構想)です。
1983年にアメリカのレーガン大統領が提案したもので、ソ連の弾道ミサイルがアメリカや同盟諸国の領土に到達する前に、地上基地あるいは宇宙配備の兵器システムで迎撃、破壊しようというものでした。
ここが第1のポイントです!
このSDI計画は、ソ連が米国との軍拡競争に音を上げたことが東西の緊張緩和につながったため、「ソ連崩壊の遠因」になったといわれているものです。
まさに重要な戦略的計画だったわけです。
そして今回の米国の宇宙軍構想に対するロシアの反応は以下のとおりです。
「明らかにロシアを軍拡競争に引きずり込もうとしている」
「長引く経済危機の中で軍事に資金を向ければ、ロシア国民はさらに貧困化し、社会的な(不満の)破裂につながる」
このように警戒しているロシアですが、すでに2015年には空軍を「航空宇宙軍」へと改組しています。
米国のレーガン大統領はアメリカを強くした「偉大な大統領」として尊敬されてきましたが、彼が提案したSDI計画は、1993年5月13日に民主党のクリントン大統領によって正式に廃棄されました。
しかし、SDIの研究成果は当然引き継がれています。この度の「宇宙軍」発表は、既にほとんどの準備が出来たので公表したということです。
ここで日本の「宇宙部隊」のポイントを整理します。
1.自衛隊初の宇宙部隊が2020年度に創設、70人規模、航空自衛隊府中基地に配備。
2.2023年に打ち上げ予定の「準天頂衛星」に、アメリカ国防総省が運用する「宇宙監視センサー」を搭載する。
3.将来、独自に「宇宙監視センサー」を搭載した人工衛星を打ち上げる予定であり、宇宙空間の防衛開発を行う。
ここが第2のポイントです。
日本は米国と共に「宇宙での安全保障」を強力に推進していくべきです。
現在、日韓関係が難しい状態となっていますが、中国やロシア、そして北朝鮮の脅威を冷静に分析すれば、韓国は、日・米・韓3国の連携の必要性を再認識するでしょう。
宇宙から、空から見て、日・米・韓3国の連携はアジアと世界の平和と安全にとって非常に重要なことです。
(後編に続く)