2019.06.03 17:00
コラム・週刊Blessed Life 69
令和を祝賀した歴史的な行事
新海 一朗(コラムニスト)
2019年5月25日から28日までの3泊4日の日程で、訪日した米国のトランプ大統領夫妻は、5月1日に就任された新天皇と新皇后の両陛下、そして安倍首相をはじめとする日本国民がお迎えする令和の最初の国賓として盛大な歓迎を受け、帰国の途に就きました。
トランプ大統領はゴルフや大相撲観戦などを大いに楽しみながら、安倍首相との友誼(ゆうぎ)をさらに深める中、日米首脳会談、天皇皇后両陛下との会見そして宮中晩さん会、また拉致被害者家族との面会など、多くの予定されたスケジュールを全うし、日米のより一層の関係構築を深化させたことは、大きな成果として評価されるでしょう。
現在の国際情勢を見ると、目に余る混乱ぶりが世界に広がっていると言えるでしょう。
混乱をつくり上げている原因は数多くあるでしょうが、その中の大きな原因に米中の貿易戦争が挙げられます。
これは貿易戦争というレベルではなく、覇権戦争、すなわち、21世紀の世界を主導する国は、アメリカなのか中国なのかという雌雄を決する戦いになっています。
中国の伝統的な思考である「中華思想」からすると、アメリカ何する者ぞ、という中国「絶対中心」主義の亡霊から免れることができない限り、激突は避けられません。
アメリカは、中国が世界を掌握することを許さないでしょう。
それともう一つ、北朝鮮は今後、アメリカと和解しアメリカに就くのか、今までどおり、中国やロシアにどこまでもぶらさがるのかといった北朝鮮の国家としての運命の問題があります。あるいはどちらにも就かず、独自の道をうまく生き延びるとでもいうのか、第三の選択肢が果たして可能なのか、ぎりぎりのサバイバルゲームを北朝鮮は強いられています。
この激動の真っただ中にある東アジアの中の日本が選択する最も理性的で実利的な道が、日米同盟であることは明白です。その意味で、今回のトランプ訪日の成果は、「日米の強固な絆」を内外に示し、日本がどういう道を歩むのかを世界に明らかにしたことです。
そして、日本の中心にいらっしゃる「天皇」の御代替わりにいち早くアメリカから祝賀の意を示すため、大統領夫妻が国賓として駆け付けたことは「令和」が世界的に、歴史的に祝福を受けたことを意味します。日本の使命がそれだけ大きいということです。