子育て道しるべ 24
父母の教育力(2)

(APTF『真の家庭』170号[12月]より)

座間 保裕

 前回に引き続いて、「父母の教育力」について、考えてみようと思います。

思春期の子女の対応について

 思春期の男女関係は心の中に留まっていたとしても、異性への関心は大きなものです。それ故にバランスの取れた純潔教育をする必要があります。男女を完全に分けるようなことはかえって反発を招いたり、逆に結婚してからも相手を愛せなかったりする可能性があります。かと言って、異性に分別なく情を流したり、異性間でスキンシップをすると、男女問題が起こる確率が高くなります。

 本然の愛と性の教育が必要です。内的な心の持ち方、外的な異性に対する接し方など内外両面からしっかりと教える必要があると思います。万が一悪い友人に誘われた場合や異性から告白されたなど、直接的原因は問題を表面化させた最後の一押しであったに過ぎないことも多いのです。ですから、問題の直接的原因を追及し、そこに焦点をあてた対策をしても根本的な問題解決にはなりません。むしろ、何かあると問題が噴き出すような状態にしてしまった原因を解決すべきではないでしょうか。その最大の原因は家庭において溜まったストレスであることが多いのです。夫婦が一つとなり、時間や空間の共有ができれば、それがかなり軽減されるでしょう。

夫婦関係のあり方について

 子女が思春期を通過する時期は、格別に夫婦関係のあり方について意識する必要があります。なぜならば、思春期の子供たちは、理想の男女関係をまず父母に求めてくるからです。夫が妻を尊重して、話をよく聞いているか、また妻が夫の意見を正しく受け止めているかどうかということをよく見ています。

 そこで、男女の違いをよく心得て、夫婦の関係を円満にする努力をすべきです。妻は夫が自分をよく理解していることを期待しています。しかし、夫は長い対話を持つより、要点だけ話すことを願います。そうすると、妻は自分の話がきちんと受け入れられていないと思うのです。ですから妻が話し始めたら、夫は愛と忍耐の心でただ聞くのが良いのです。

 また、夫は自分の話が正しく合理的であると受け止められることを願います。したがって妻は夫が話すときは、要点を話すようにさせ、夫の意見が本当に役に立ち、合理的で理論的であると言ってあげることが良いのです。そうすると、夫は激励されていると感じ、妻が必要としているものに対して、よりきちんと理解しようとするものです。

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☆今回で「子育て道しるべ」は最終回です。ありがとうございました。