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幸せを引き寄せる 6
愛のある言葉

 アプリで読む光言社書籍シリーズ第7弾、『幸せを引き寄せる〜「愛天愛人愛国」家庭生活講座』を毎週木曜日配信(予定)でお届けしています。

浅川 勇男・著

(光言社・刊『幸せを引き寄せる〜「愛天愛人愛国」家庭生活講座』より)

第二章 人を愛する生活

愛のある言葉
 幸せになるためには愛の実践をしなければなりません。愛の実践と言うと、十本の指や手足を使って実践することと考えがちです。

 例えば、奥さんがご主人に大好きな食事をごちそうするとき、スーパーで買い物をし、手を使って料理を作ります。疲れたご主人の肩をもんであげるのにも手と指を使います。誕生日にお祝いメールを送信するのにも、手と指を使って文字を打ちます。

 でも、手や指を動かさない、とても大切な愛の実践があるのです。それが、口から出る言葉なのです。言葉は目に見えませんし、手や指で掴(つか)めませんが、不思議な愛の力を持っているのです。

 とても落ち込んでいたとき、友達のたった一言で元気が出ることがあります。お母さんの優しい言葉で子供の勉強意欲が出る場合もあります。

 言葉は愛と思いやりの宅配便なのです。言葉の包みを開くと、たくさんの愛が出てくるのです。心という「見えないお家(うち)」に届けられた愛の贈り物なのです。

 言葉には不思議な力があるので、愛と思いやりを持って語れば、人を励まし、勇気づけることができるのです。何万語もある言葉の中で、間違いなく幸せを引き寄せる言葉があります。“ありがとう”です。

 「ありがとう」を言い続けて幸運を引き寄せたおばあさんがいたそうです。おばあさんには息子夫婦と三人の孫がいましたが、近くに住んでいながら、孫が訪ねて来ません。孫と会うのが楽しみのおばあさんは、とても寂しがっていました。「なぜ、かわいい孫が来ないのか。その真犯人は分かっている。あの嫁だ」と思い込んで毎日、嫁を憎み怨んでいたそうです。口から出る言葉は、嫁の悪口だけでした。「悪い嫁、憎い嫁、出来の悪い嫁、気の利かない嫁……」。ますます、嫁さんはおばあさんの家に来なくなりました。当然、孫も来ません。

 ところが、ある時、おばあさんは、嫁の悪口を言い続けていても幸せにはなれないと悟り、「ありがとう」の言葉を何回も言ってみることにしたのです。そして、一日中、「ありがとう。ありがとう……」と言い続けたのです。何と、一日に千回繰り返したそうです。

 すると、驚いたことに、孫の一人が、おばあちゃんを訪ねてきたのです。おばあちゃんは、とっても驚き、喜びました。小躍りしながら、おばあちゃんはひらめいたそうです。「ありがとう千回で、孫一人。ということは、ひょっとして……」。

 結構、計算が得意なおばあちゃんなのです。次の日から、一日三千回「ありがとう」と唱えたそうです。もはや、お題目となったのです。

 そんなある日、ついに奇跡が起こりました。三人の孫が嫁つきで、おばあちゃんを訪ねてきたのです。そればかりではありません。嫁からのお小遣いもアップしたのです。「ありがとう」の言葉が、幸運を引き寄せたのです。今では、何万回も毎日唱えているそうです。

 この話を聞くと、「ありがとう」の言葉は、不幸な時に一番効果があるのかもしれません。

 文鮮明先生の奥様のお母様である大母様は、とても愛と慈しみのある方で、言葉の大切さを語っておられます。

 「感謝する心で、ために生きる心で真の愛を伝えることのできる真の愛の言葉、真の言葉、良い言葉、善なる言葉、称賛する言葉のみを使うようにしなければなりません。どんなに憎い人、悪い人がいても、相手の人が良い人だと思って話し続けていくと、その人は良い人になっていきます」(『成約時代の清平(チョンピョン)役事と祝福家庭の道』、182ページ)

 ご主人を思いやりのない夫と思っている奥さんが、良い夫だと思い込んで、良い言葉を語り続けていくと良い夫になってしまう、というのです。

 あるお母さんが、お子さんを出来の悪い子供と思っていても、素直で良い子だと思い込んで、良い言葉を言い続けると、良い子になってしまうというのです。愛の言葉の力が、人の心を変えていくのです。人間関係とは、“自分の語った言葉の作品”です。

 また、言葉には、とても危険な要素もあります。“取扱注意”なのです。言葉は一旦口から出たら、もはや、自分では主管できないからです。燃えるごみや燃えないごみは回収車が来ますが、悪い言葉の回収日はないのです。

 恐れるべきは、見えない言葉のごみなのです。ごみは必ず、ばい菌を引き寄せて、健康を害します。同じように、不用意に感情のままに語った言葉は、聞いた人の心で増殖して、憎しみや怨みになるのです。

 文鮮明先生は、「私たちの同僚関係においても、一言間違ったことによって、その関係が壊れることもあります。もし言葉を一言間違えれば、その言葉を言った人も苦痛を受け、その言葉を聞く人も苦痛を受けるのです」(『愛天愛人愛国』、61ページ)と言われています。

 大母様も、「どんなに良い人でも『あの人は悪い』と言い続けると、人間には感情があるので、悪い人に変わっていきます」(『成約時代の清平役事と祝福家庭の道』、182ページ)

 「言葉というものは一度出てしまえば、二度と拾って入れることができません。絶対に言葉に注意しなければなりません」(『成約時代の清平役事と祝福家庭の道』、183ページ)と言われます。

 言葉が口から出る前に、人を喜ばせる言葉なのか、苦しませる言葉なのかを、吟味してから語らなければなりません。食物も消化しなければ体を壊すように、言葉も消化する必要があるのです。そして、健康にもダイエットが大切なように、幸せになるためには“言葉のダイエット”が必要なのです。(続く)

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 次回は、「笑顔」をお届けします。