子育て道しるべ 21
大学生期

(APTF『真の家庭』167号[9月]より)

須永 孝子

大学になぜ行くのか?

 最近ではほとんどの高校生が大学受験のために塾に通っています。子供の大学受験に対しては親たちは神経を使い、希望の大学に合格できるようにお祈りをしたりします。

 では「何のために大学に行くのでしょうか?」。

 大学でかかる学費や生活費、雑費は随分かかります。私立大は勿論、国公立の大学でも決して安くはないです。それを払ってまでしても大学に行かせたいと親が思い、子供が思うのは何故でしょうか?

 私自身も大学に行ってそこで多くのことを学び体験しました。

 大学は、まず自分が学びたいと思った内容がある大学を選び、またその希望した学部、学科に入ることが大切です。そこで高校の時に学んだこと以上に内容を高め、もっと専門的に学んでみたいと思えば熱心に取り組むことができます。そしてもっと知識を深めたい、広く学びたいという向学心を持てば、さらに自分の可能性を引き出し、より社会に役立つ人間になることをサポートしてくれるのが大学です。

 大学によっては専門性を磨き、スキルアップのための取り組みがなされる所もあります。しかしそれは4年間では極められないので、多くの人はさらに学ぶために大学院に進むことが多いようです。ですから本格的に勉強したい人はいくらでもチャンスがあります。

 そして人生の中で良き師、良き教授に出会うことは大きな財産となります。

学生自身、意志をもって環境を主管せよ

 人によっては大学に行く理由に「大卒」という学歴を得るためや女性の中には花嫁の条件のためという人もいます。また特に目標も無く社会に出て働くより、とりあえず大学に行ってから考えて、4年後にはどこかの会社に就職しようと思っている学生もいるでしょう。

 だから大学で学問をする本来の意味、目的は人によって異なってきています。

 大学には全国から人が集まって来ていますので、色々な学生たちがいます。遊ぶために来た人、スポーツや文化、芸術をするためだったり、勉強をするためだったり、また将来政治家や弁護士になるため、世界に飛び出てボランティア活動をするためだったりします。

 ですから大学という環境は多くの人との出会いがあり、未知との出会いがあり、取り組み方によっては視野を広げることもできるし、自分自身の器を広げることもできる所です。そのために同じ志を持った同期の友や先輩、後輩を得ることも人生の中で大切なことです。大学はそのような出会いがある所です。

 まずは学生自身がしっかり意志を持って、環境に振り回されないことが大切です。

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